二分脊椎とASDの32歳の女の子[4]二分脊椎症って?
「二分脊椎」この病気の名前をはじめて目に、耳にする人も多いと思います。読み方は「にぶんせきつい」。
誰にでもイメージがしやすいように「子どもたちにも伝わるように」「大人がイメージしやすいように」2つの説明文を用意しました。
誤解や語弊がうまれないよう最大限に配慮するとともに、広く正しく認知されることを願ってわかりやすく表記することを心掛けました。
二分脊椎症とは<子どもたちにも伝わるようにver.>
二分脊椎(にぶんせきつい)とは、赤ちゃんがお母さんのおなかの中で育つときに、背中の骨(背骨)が完全に閉じないまま生まれてくる病気です。
背骨は、体を支える大切な骨ですが、この病気では背骨の一部がしっかりと閉じず、背骨の中にある神経が外に出てしまうことがあります。
二分脊椎のポイント<子どもたちにも伝わるようにver.>
どんな影響があるの?
病気の程度によって違いますが、足をうまく動かせなかったり、おしっこやうんちがうまく出せなかったりすることがあります。
ただし、すべての子どもが同じ症状になるわけではなく、軽い場合もあります。
どうやって治すの?
二分脊椎の治療には手術が必要なことがあります。手術で神経を保護し、背骨を閉じることを目指します。また、リハビリや特別な道具を使って、日常生活をサポートすることもあります。
二分脊椎症とは?<大人がイメージしやすいように>
二分脊椎とは、一般的に胎児に発症することが多く背骨の一部分がうまく形成されず、脊髄馬尾神経が背骨の外へ出てしまう病気です。
脊椎は、体を支える骨で脊髄を保護する役割も持っています。
二分脊椎では、脊髄や神経が外に露出する場合があり、これがさまざまな健康問題を引き起こすことがあります。
二分脊椎のポイント
原因
二分脊椎の正確な原因は明らかではありませんが、遺伝的要因や環境的要因、栄養不足(特に葉酸の不足)が関与していると考えられています。
妊娠初期に十分な葉酸を摂取することで、二分脊椎のリスクを減少させることができるとされています。
種類
二分脊椎にはいくつかの種類がありますが、最も一般的なものは以下の2つです。
- 開放性二分脊椎/顕在性二分脊椎:脊髄とその被膜が背中に露出し、神経が損傷を受けやすい状態です。
- 閉鎖性二分脊椎/潜在性二分脊椎:背骨の一部が閉じていないものの、神経が露出していないため、症状が軽い場合が多いです。
症状
症状は個人によって異なりますが、重症度によっては以下のような影響があります。
- 運動機能障害:足の麻痺や筋力低下、歩行困難など。
- 感覚障害:皮膚の感覚が鈍くなること。
- 排泄機能障害:尿や便のコントロールが難しいことがあります。
- 水頭症:脳脊髄液の流れが妨げられ、脳に液体がたまることがあります。
- 治療とサポート
治療には、出生後早期に行う手術で神経を保護し、脊椎を閉じることが含まれます。
リハビリテーションや理学療法を通じて、運動機能や生活の質を向上させることも重要です。特別な装具や車椅子を使用して、日常生活をサポートすることがあります。
動画で知る二分脊椎症
文字情報ではイメージがしづらいかたもいるかもしれませんので、2つの動画を紹介します。
二分脊椎を分かりやすく紹介!
難病・二分脊椎症奮戦記-始まった「導尿」との闘い
奏多さんの顕在性二分脊椎
私に「HELP」を求めてきた奏多さんは二分脊椎症の中でも、顕在性二分脊椎の診断を受けている。
脊髄が皮膚に覆われておらず、体の外に飛び出しているタイプの二分脊椎であり、脊髄髄膜瘤がみられているとのことだった。
顕在性二分脊椎である奏多さんの大きな悩みは――ASDとはべつに――『尿意のない失禁』と『職場での導尿が苦痛であること』だった。