男性はなぜ「別れの理由」を言わない? 4つの本音と、恋がすれ違いやすいあなたへ【ADHD/ASD】

カウンセラー真由|あたらしい今日|新しい今日のイメージ画像 発達障害・特性

「どうして、別れの理由をはっきり言ってくれないんだろう…」

理由がわからないまま関係が終わってしまうのは、とてもつらく、モヤモヤしますよね。特に、ASDやADHDなどの特性があり相手の言葉の裏や態度から真意を読み取るのが難しいと感じている方にとっては、「言ってくれなきゃ分からない!」という気持ちが強いのではないでしょうか。

今回は、「男性が別れの理由をはっきり言わない主な4つの理由」と、なぜあなたとの間でコミュニケーションのすれ違いが起こりやすいのか、そしてその対処法を考えていきます。

「ちゃんと言ってくれたら、きっと改善できたはずなのに…」そう感じるあなたへ。この記事が、少しでも心の整理や次のステップへのヒントになれば幸いです。

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1. 男性が別れの理由を言わない4つの本音

なぜ男性は、肝心な理由を曖昧にしてしまうのでしょうか? そこにはいくつかの男性特有(あるいは、そういった傾向のある男性の)心理が隠れていることがあります。

本音①「正直に伝えて、深く傷つけたくない(そして、泣かれたくない)」 続きを読む
⦁ 本音を伝えることで相手が涙したり、感情的になったりする状況を避けたい、という心理が働くことがあります。「今さら本当のことを言って、相手を追い詰めるのは避けたい」「面倒な言い争いはしたくない」という気持ちの表れです。
⦁ これは対立や気まずい空気を避けたいという『男性側の都合』であることが多いです。
本音②「これまでの態度で、十分伝えてきた『つもり』」 続きを読む
⦁ 「不満があることは、これまでの態度や雰囲気で示してきたはずだ」と思い込んでいることがあります。ため息をついたり、そっけない態度をとったりすることで、「あなたになんらかの不満がある」というサインを送っていた“つもり”なのです。
⦁ 言葉で明確に伝えられていない限り、そのサインを正確に受け取るのは難しいことがありますよね。特に、言葉以外のニュアンスから意図を汲み取るのが苦手な傾向のあるADHDやASDのかたにとっては、「そんなサイン、気づかなかった」「言葉にして言ってくれたら直したのに」と感じるのは当然のことです。
本音③「『悪いところを直すから』と、引き止められたくない」 続きを読む
⦁ すでに別れることを固く決めている場合、「理由を伝えたら、『じゃあ直すから、別れないで』と引き止められても困る…」と考えます。関係修復の話し合いに応じる気がないため、理由を曖昧にして、話し合いの余地をなくそうとするのです。
⦁ これはあなたに改善の機会を与えない、という意地悪ではありません。単に、彼の決意が固いことの表れです。
本音④「もう終わる関係なのだから、わざわざ波風を立てる必要はない」 続きを読む
⦁ 「どうせ別れるのだから、最後に嫌な思いをさせたり、トラブルになったりするのは避けたい」という考えです。円満に――彼の視点では波風立てずに――関係を終わらせたい、という気持ちが働いています。
⦁ 彼にとっては最後の優しさの“つもり”かもしれませんが、恋が終わりになる明確な理由が分からないままエンディングを迎えるのは、あなたにとっては納得しづらく非常につらいことですよね…。

2. 態度で十分に伝えてきたつもりが、伝わらなかった理由

特に思いのすれ違いの原因になりやすいのが、本音②の「これまで散々言ってきた『つもり』」です。

男性側は、

  • 不機嫌な態度や、冷たい目線
  • 増えたため息や、短い返事
  • コミュニケションや会う機会を最小限にした「避けている」空気感
    などで、自分の不満や別れたい気持ちを「表現してきた」と思っています。そして、「(言葉にしなくても)察してほしい」と期待していることがあります。

しかし、ADHDやASDの特性を持つ方の中には、

  • 相手の表情や声のトーンの微妙な変化から感情を読み取る
  • 言葉にされていない「行間」や「空気」を読む
  • 曖昧な表現や遠回しな言い方の真意を理解する
    といったことが、非常に難しい場合があります。

これは決してあなたのせいではなく、コミュニケーションのスタイルの違いなんですね。
だからこそ、男性が「サインは送っていた」と思っていても、あなたにとっては「何も聞いていない」「突然、別れを切り出された」と感じてしまう。

この認識のズレが、悲しい恋のすれ違いを生んでしまう大きな原因です。

3. 男性心理の背景:「察する文化」と「伝えることへのためらい」

画像にあるように、男性側の視点としては「自分なりには伝えてきたつもり」なのです。

  • 目線や態度で、不満や違和感を訴えてきたはず
  • ため息やイライラした様子から、何かを感じ取ってほしかった

日本では「言わなくても伝わる」「空気を読む」といったコミュニケーションが美徳とされる風潮も、このすれ違いに影響しているかもしれません。

しかし、あなたにとっては、「言葉で具体的に伝えてもらうこと」が、何より分かりやすく、安心できるコミュニケーションですよね。曖昧な態度や雰囲気だけで「察して」というのは、むしろ不安を煽るだけで、親切とは言えません。

このコミュニケーションのズレが大きな要因。一方で男性側は「いや、ずっとサイン出してたよね?」と思っているため、最後には「もう言っても無駄」と別れを決めてしまうことも。

4. まとめ|すれ違いを防ぐために、あなたができること

男性が別れの理由を言わない背景には、「傷つけたくない」「面倒を避けたい」「もう伝えたつもり」「引き止められたくない」といった心理があります。

そして、ADHDやASDの特性を持つ女性の中には、言葉以外のサインを読み取るのが苦手なため、男性側の「伝えたつもり」が届かず、すれ違いが起こりやすいという構図が見えてきました。

この根本的なすれ違いを防ぐために、最も重要で、かつ最初に取り組むべきなのは、「恋愛関係の初期段階」でのコミュニケーションスタイルの共有と確認です。

「私は、言葉で伝えてもらいたいタイプ」と正直に伝える

付き合う前や、関係が深まる前の段階で、勇気を出してあなたの希望するコミュニケーションスタイルを伝えましょう。

「実は私は人の気持ちを察したり、曖昧な表現を理解したりするのが少し苦手なんだ。だから、もし付き合ったら…大事なことや、何か気になったことは、できるだけ具体的に言葉で伝えてくれると、すごく安心するし、嬉しいな」

これは「注文」ではなく、お互いが心地よく過ごすための「大切な情報共有」です。

相手の反応をよく見ておく

勇気を出したあなたの発言に対する相手の反応は、今後の関係性を考える上で非常に重要なヒントになります。

  • 「分かったよ。僕も言葉にするように気をつけるね」「言ってくれてありがとう」 と、あなたの特性を理解し、歩み寄ろうとしてくれる姿勢が見られれば、建設的な関係を築ける可能性が高いでしょう。
  • 「え、そういうの面倒だな」「普通は察するものじゃない?」「いちいち言わないとダメなの?」 といった反応や、言葉では理解を示しても、面倒だなぁ負担がかかるなぁといった様子を見せる場合は、注意が必要です。残念ながらその人との関係は、うまくいきづらいというサインかもしれません。

【提案】「自分取扱説明書」を作って交換する

自分の特性や希望するコミュニケーションスタイルを口頭で説明するのが難しい、あるいは感情的になってしまいがち…という方には、「自分取扱説明書」を作成することをお勧めします。※できればお互いに交換することをおすすめしたいです

何をまとめる? 続きを読む
あなたの性格的な特徴、苦手なこと・嫌いなこと(例:曖昧な言い方、機嫌を問いただされること)、してもらえると嬉しいことなどを、具体的に書き出してみましょう。
どうやって作る? 続きを読む
言葉にするのが苦手なら、箇条書きのメモや、イラスト・図などを活用するのも良い方法です。今でしたらChatGPTやCanvaなどの生成AIを使って作成するのもわかりやすいかもしれません。
 ※ご相談をいただけましたら、ヒアリングとセットで作成いたします、ご相談ください。
どんなメリットが? 続きを読む
⦁ 曖昧な態度や表現、「言わなくてもわかるはず」という期待は、ADHDやASDなどの特性があるかたにとっては大きな負担になります。
⦁ だからこそ、あなたの特性や理想のコミュニケーションスタイルを理解し受けとめ、尊重してくれる相手を選び、そして「自分取扱説明書」のようなツールも活用しながら、お互いの理解を深めていくことが大切なのです。

最後に

コミュニケーションは一方通行では成り立ちません。

あなたが努力したり歩み寄るのと同じように、相手にもあなたを理解しようと努める必要があります。まさに「恋愛はお互い様」の精神がとても必要なんです。

お互いが持っている個性や違いを理解し合い、尊重し合える関係を目指してください。

「言葉で明確に伝える」こと、そして「自分取扱説明書」などを活用した「見える化」は、一見手間がかかるように思えても、長期的に見れば、誤解や不必要な衝突を防ぎ、お互いにとって安心できる関係を築くための、非常に有効な方法です。

あなた自身が心地よくいられて、対等なコミュニケーションが取れる関係性を大切にしてくださいね。

発達障害・特性
私が書きました
一 真由

オンラインカウンセリング『あたらしい今日』主宰
心とからだの不調に詳しいお節介カウンセラー

心療内科領域に強いカウンセラーとして、生きづらさを抱える方々に寄り添いながら、誰もがいつからでもリスタートを切り「新しい今日」を迎えられるようにと願って、情報発信を行っています。ブログでは機能不全家族・毒親問題・子育てSOSを多く扱っています。

気軽に話してもらえるように。「独り」にならなくてすむように。人生に伴走することを大切にしています。通称カウンセラー真由

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