昨日書いたコラムは「カサンドラ症候群を未然に防ぐために」です。本日は「悪化させないために」です。続けてどうぞ!
お子さんやパートナー、職場の同僚に発達特性がある場合、その関わり方に悩んでいる方も多いと思います。昨日は、カサンドラ症候群に陥りやすい状況や育成環境についてまとめました。
もちろん個人差はありますので、これが全てではありません。
カサンドラ症候群は家庭内だけでなく、発達特性がある人の教育係やサポート役にも多く見られる心の負担です。
職場の人間関係やパートナーとの人間関係に悩み、睡眠不足や食欲不振に陥り、心身に出ている不調を詳しくうかがう中で、その症状がカサンドラ症候群に非常に似ていると感じることはよくあります。誰が悪いなどではなく、指示の出し方やアドバイスの伝え方を専門的なアプローチを得てチェンジすることで180度変わることもあります。
数字化できるものは「数字」に変換して伝える
- ちょっと待ってて ➡ 5分待ってて
- 今日中に仕上げて ➡ 今日の15時までに仕上げて
- 週末出勤できる? ➡ 今週末の9月6日・7日・8日は出勤できる?
はやく宿題しなさい!
18時30分までに宿題を終わらせたら、20時から21時までの1時間ゲームしていいわよ
例えば「今夜はご飯をつくりたくない…」そんな時は?
『手順』を書く!
「疲れているから今夜はご飯作りたくない」と伝えるだけでは、相手に意図が伝わらないことがあります。個数や商品名、イレギュラーが発生した場合の代替案など、具体的に『手順』を書くとをすると、スムーズに話が進みます。
例: 「お願い! 駅前の××で明太子弁当を2つ、チキン南蛮弁当を1つ、ツナサラダを2つ買ってきてくれるかな💦 めまいと頭痛が酷くて💦 ツナがなければ他のサラダでも大丈夫です。閉店していたら在庫があるものを教えてください。子どもたちの夕ご飯なのでよろしくお願いします、疲れてるところごめんね💦」
例えば「仕事の納期やスケジュールを守ってほしい」そんな時は?
注意点を長々と書くことはNGです
「この案件は年内に片付けたい」と言うだけでは曖昧すぎます。明確な期限を示すことで、誤解を防げます。
例: 「10月25日(金)14時30分までに企画書を提出してください。クライアント納品は11月22日(金)午前10時までです。質問があれば遠慮せずに聞いてください」
注意や補足を長々と――私のように書いてしまうと(笑)――意識がそちらに向いてしまうため、最も留意しなければならないことが記憶から薄まってしまいます。
最も守ってほしいことや、最も伝えたいことを端的に書いたあとは長々と書かないこと! これは「口頭の場合も同じ」です。
伝えたいことは「発言」ではなく「文字に残す」のが本気でお勧め!
・詳しく書く(言う)
・文字量をたくさん書く(言う)
ダメです! ダメです! 言葉や文字の波が襲ってきているだけで「何を言わんとされているのかが分からなくなります」
言葉や文字の波が襲ってきていることの恐怖から「はい」「わかりました」「できます」「質問はありません」と反射的に言ってしまいます。
・指示は短く
・指定できるものは指定する
・数字にできるものは数字で
・可能な限り箇条書きで
・箇条書きの頭に「・」をつけたり
・「①」「❷」などナンバリングをするのは手順がわかりやすいです
・絵文字が多すぎる
・色分け指示をたくさん
ダメです! ダメです! 目線が散る=優先順位や厳守ポイントが薄まります
今日のまとめ|難しいな…と思ったあなたへ
「自分にできるだろうか」「そんな余裕がない…」と感じることもあるでしょう。でも、発達特性のある方にわかりやすい指示は、誰にとっても理解しやすいものです。
伝え方のコツ
- # ハッシュタグ感覚で箇条書きに
ChatGPTにプロンプト(指示)を出すように、簡潔に伝えましょう。- 「ちょっと待ってて」➡「5分待ってて」
- 「今日中に仕上げて」➡「今日の15時までに仕上げて」
- 「週末出勤できる?」➡「9月6日・7日・8日に出勤できる?」
これからのAIとの関わり
ChatGPTや生成AIは今や生活の一部となりつつあります。彼らは長い文章や曖昧な指示には弱いですが、短く簡潔なプロンプトには素早く対応してくれます。
指示の出し方は練習で上達しますので、試しながら一緒に頑張りましょう!