心配や不安の「9割」は杞憂で終わる
私たちが感じる心配や不安の多くは、実際には「起こらないこと」がほとんどです。これを「杞憂(きゆう)」といいます。杞憂とは「必要以上に心配すること」「現実には起こらないことを恐れること」を指します。
では、なぜ不安や心配の多くが杞憂で終わるのか、そしてどう向き合えばよいのかをわかりやすく説明します。
なぜ心配の「9割」は起こらないのか?
1. 人間の脳は「最悪」を想定しがち
- 人間の脳は、生き延びるために「危険」を敏感に察知するよう進化してきました。そのため、必要以上に「最悪の未来」を予測してしまうのです。
- 例: 「試験に落ちたら人生が終わるかも」「道に迷ったら帰れなくなる」など。
2. 「今」ではなく「未来」に意識が向いている
- 心配や不安は、まだ起きていない「未来」に目を向けることで生まれます。しかし未来の出来事は、私たちが想像する通りになることはほとんどありません。
3. 自分の力を過小評価してしまう
- 「自分には解決する力がない」と思い込むことで、不安が膨らみやすくなります。でも、実際には多くの問題はその場で対応できる力を私たちは持っています。
心配や不安が杞憂で終わる例
日常的な例:
- テストやプレゼン
→「失敗したらどうしよう」と不安になるけれど、実際には何事もなく終わることが多い。 - 友人との関係
→「変なことを言って嫌われたかも」と気にしても、相手は気にもしていないことがほとんど。 - 健康診断
→「大きな病気だったらどうしよう」と心配しても、結果は問題なしというケースが多い。
杞憂を減らすための考え方と行動
🌿 不安を書き出す
- 自分が心配していることを紙に書き出してみましょう。そして、それが「本当に起きる可能性が高いか」「自分でどう対処できるか」を冷静に考えるだけで、不安が軽くなることがあります。
かつてtwitter(現X)でも話題に上がったことがありますのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、悩んだ時に下記の図を見て「自分の現在の悩みがどこに位置するか」を客観的・視覚的に把握する。
真由先生
自分自身の悩みと未来の悩みは変えられる。けれど過去と他人は変えられない悩み(だから、悩んだところで…)という超シンプルで真理を突いたもの。
上記の画像をスマホの待ち受けにして、悩みごとができるたびに悩みの現在地を確認している人達が今も変わらず多いのも頷けます。
🌼 「今」に集中する
- 未来ばかり気にするのではなく、今自分ができることに目を向けましょう。例えば、試験が不安なら、勉強に集中するだけで気持ちが落ち着きます。
🌸 最悪のシナリオを考えてみる
- 「最悪のケースが起きたらどうする?」を一度想像してみると、案外「なんとかなるな」と気づくことがあります。
- 例: プレゼンで緊張して言葉が詰まっても、「謝って資料を見直せばOK」と思える。
🌟 過去の杞憂を振り返る
- 過去に「ものすごく心配していたこと」が、実際にはどうだったかを思い出してみましょう。ほとんどの心配が杞憂で終わったことに気づくはずです。
心配や不安との付き合い方
心配や不安を「完全に無くす」ことは難しいです。
しかし「また杞憂かもしれないな♪」と気づくだけで、気持ちがぐっと楽になります。不安は「今、ここ」を生きるためのヒントをくれるものでもあります。
心配の9割は起こらない――それでも心配が湧いてきたとき、「この心配、本当に必要?」と自分に問いかけてみましょう。残りの1割が現実になったときも、あなたならきっと乗り越えられるはずです。