依存症とは?
依存症とは、特定の「物」や「行動」「人間関係」に対して自分の意思でコントロールができなくなり、それがないと不安やストレスを感じる状態です。この状態が続くと、心や体・生活全般に悪い影響を与えることがあります。
依存症には、主に3つの種類がありますが、合併していることも少なくありません。
例:ギャンブル〔行為依存〕+タバコ〔物質依存〕
1. 物質依存
物質に対して依存してしまう状態で、それを摂取することで一時的な安心感や快感を得ることが目的になります。しかし、やめたくてもやめられない状態が続きます。
- 例:
- アルコール(お酒)
- タバコ(ニコチン)
- 違法薬物(覚醒剤やコカインなど)
- 処方薬(睡眠薬や痛み止めなど)
- カフェイン(コーヒーやエナジードリンク)
- 大麻
2. 関係依存
他人との関係に過剰に依存してしまう状態です。「相手に頼られたい」「相手を失いたくない」といった気持ちが強すぎて、自分を犠牲にしてしまいます。相手からの暴力や支配的な行動に耐えてしまうばあいもあります。
- 例:
- 恋人依存
- 家族依存
- 共依存(過剰な依存と自己犠牲)
- DV(ドメスティックバイオレンス)
- 身体的暴力(殴る、蹴る、暴力を振るう)
- 心理的暴力(暴言を吐く、無視する、脅す)
- 経済的暴力(お金を与えない、使い道を制限する)
- 性的暴力(性的関係を強要する)
3. 行為依存
特定の行動や習慣に対してやめられなくなり、繰り返し行うことで生活に悪影響が出る状態です。行為そのものが快感や満足感を生むため、やめたいと思っても止められなくなります。
- 例:
- ギャンブル(パチンコ、カジノなど)
- 買い物(必要のないものを買い続ける)
- 借金(お金を借りすぎる)
- スマホ依存(SNSやゲームに没頭する)
- ネット依存(動画やサイトを見続ける)
- 運動依存(やりすぎて体を壊す)
- 過食・摂食(食べすぎやダイエットにのめり込む)
- 仕事依存(働きすぎて他のことが見えなくなる)
- 病的窃盗(クレプトマニア)
ホスト依存の複雑性
ホスト依存は依存症の3つの大分類のうち「関係依存」と「行為依存」の両方に関係するケースが多いと考えられます。それぞれの側面から詳しく説明します。
1. 関係依存の視点
ホスト依存は「特定の人(ホスト)との関係」に強く執着することが特徴です。ホストからの優しさや関心を求め続け、「自分の価値はホストに認められることで決まる」と感じてしまうことがあります。このため、ホスト依存は「関係依存」の一形態と考えられます。
具体例
- ホストに会うことで安心感や承認欲求が満たされる。
- ホストとの関係が途切れることを極度に恐れ、無理をしてでも通い続ける。
- ホストに好かれたい、優先されたいという気持ちから、多額のお金を使ったり無理をする。
2. 行為依存の視点
一方で「ホストクラブに通う」という行動そのものがやめられなくなるケースも多いです。この場合「ホストクラブでお金を使う」や「豪華な体験を楽しむ」といった行動が快感や興奮をもたらし、それが依存の対象になります。このためホスト依存は「行為依存」の一形態とも捉えられます。
具体例
- ホストクラブで豪華にお金を使うこと自体が快感になり、やめられなくなる。
- 借金をしてまで通い続け、生活に支障をきたしても行動を止められない。
- SNSでホストとの関係を自慢し、周囲からの評価を得ることに依存する。
ホスト依存は、多くの場合「関係依存」と「行為依存」の両方が絡み合っている複雑な依存症です。ホストとの「関係」に執着する心理的側面と、ホストクラブに通いお金を使い続ける「行動」に依存する側面が同時に存在するため、どちらか一方だけに分類するのは難しい場合もあります。
今日のまとめ
依存症は「やめたほうがいい」と頭では分かっていても、ある物(お酒や薬など)や行動(ギャンブルやスマホなど)をやめられなくなる病気です。やめたいのにやめられない状態になり、自分でコントロールができなくなってしまいます。
昔は「意志が弱いせい」「性格の問題」など心に問題があると思われていましたが、実際には脳の働きが変わってしまうことが原因です。
そのため、誰にでもなる可能性があり生まれや育ちに関係なく発症する病気です。自分ひとりの力で改善が進むことは非常に難しく、専門の医療の力と周囲の支援理解が必要不可欠です。
依存症に限って言えば、当人よりも「家族の受診」を先んじて受けつけている病院も少なくありません。ご家族が良かれと思ってしているサポートが実は依存症を加速させている要因になっていることもありますので、依存症治療を積極的に行っている専門機関にご相談にあがってください。