共感力が低い人に対する巷の印象は、「冷たい」「自己中心的」「人間関係が希薄」など、ネガティブなものが多いです。
共感力が欠けていると、他者の気持ちや視点に寄り添いづらく、無神経に見られてしまうことがあります。そのため人と深く関わることが難しく、周囲からは「わかってくれない」「距離を感じる」などと思われることが多いようです。
また、マイルールや理論に重きを置きすぎる傾向があり、融通が利かないと感じられやすい点も特徴です。一方で、こうした特徴がある人は論理的である場合が多く、問題解決においては頼りになる存在とも評価されています。
しかし、やはり円滑な対人関係という点においては、「付き合いづらい人」「我が強すぎる」「自分の意見が絶対だと思い過ぎている」などと見られる傾向にあります。
「共感力」の低い人に共通する10つの弱点
- 他人の視点を理解するのが難しい
自分の視点が中心で、他人の立場に立って物事を考えるのが苦手です。 - 非言語的なサインの理解が苦手
表情や態度などの微妙なサインを察知できず、相手の感情に気づきにくい傾向があります。 - 他者の感情に興味が薄い
感情について深く考えたり他者の感情に関心を持ったりすることが少なく、冷淡に見えることもあります。 - 自己中心的な発言が多い
悪意はないものの自分の話や考えを優先し、他人の意見や気持ちを軽視する傾向があります。 - 他人の痛みや苦しみに無関心
他者が内心とても苦しんでいたとしてもそれを慮ることが苦手で、結果として無神経な態度を取ることがあります。 - 競争心が強い
他者と比較する傾向が強く、勝ち負けにこだわるあまり、共感するよりも競争心が優先されることが多いです。 - 人間関係が表面的
本当は求めていたとしても、深く感情的な繋がりを築くことが苦手で関係が形式的になりがちです。 - 承認欲求が強い
認められたい、注目されたい、という点に意欲的なため、周囲と調和をとるよりも自分の意見や存在感を発揮することを重視する傾向があります。 - 指示やルールに固執する
他人の気持ちよりも、物事の正確さやルールの遵守に重きを置き、状況判断や前例を大切にする傾向があります。 - 自己基準で問題解決を図る傾向がある
問題が生じた際に相手の気持ちや立場や、そこに至った背景を考えるよりも、自分が思う「正解」や「理想の解決策」にフォーカスしがちです。
そのため、「なぜ相手がそう考えたのか」ではなく、「自分が正しいと思う方法」や「こうあるべきだ」という視点から話を展開する傾向が強いのです。
10の補足:具体的には、次のような特徴があります
・自己基準による判断
「自分だったらこうする」「自分の基準ではこれが正しい」というように、相手の視点よりも自分の価値観や基準で物事を見ます。
・正論を重視する
状況や関係性よりも、あくまで論理や理屈に基づいて「こうあるべきだった」「こうするのが正しい」という言い方をしがちです。
・感情や事情を無視する
相手がどのような気持ちで行動したかや、背後にある事情を考慮せず、効率や合理性の観点からのみ解決を図ろうとします。
ここに挙げた10個の特徴は、共感力が低い人が対人関係やコミュニケーションで感じることが多い「弱点」として捉えることができます。
これらの弱点が原因で、人間関係において誤解や衝突が生まれやすくなることも実際には多いです。けれど弱点は裏を返せば強みになります。たとえばそれはこんな風に――。
「共感力」の低い人に共通する10つの強み
- 他人の視点を理解するのが難しい
自分の意見や視点を持ち、周囲に流されにくい芯の強さがある。 - 非言語的なサインの理解が苦手
表情や仕草よりも明確で論理的なコミュニケーションを重視し、言葉でのやり取りに強みがある。 - 他者の感情に興味が薄い
感情に左右されず、冷静で客観的な判断ができる。 - 自己中心的な発言が多い
自分の考えをしっかりと伝えることで、周囲に対してリーダーシップを発揮できる。 - 他人の痛みや苦しみに無関心
困難な状況でも動じず、冷静に対処できるため、危機管理能力が高い。 - 競争心が強い
成長意欲が強く、他人との比較が自己改善のモチベーションとなる。 - 人間関係が表面的
必要以上に深い感情的な関係に縛られず、効率的に物事を進められる。 - 承認欲求が強い
高い目標を持ち、自分の価値を高めることに意欲的である。 - 指示やルールに固執する
ルールや秩序を重視し、公平な判断を求める姿勢が強い。 - 自己基準で問題解決を図る能力
物事を論理的かつ客観的に見極める力があり、自分の価値観に基づいて迅速な判断を下すことが得意です。
相手の意図に振り回されず、効率や成果を重視して解決策を提示するため、問題解決の場面ではリーダーシップを発揮できることが多いです。
これを見るとわかる通り、共感力が低い人は「対人関係」においては課題が多いものの、社会的成功はしやすいようです。
とはいえ、社会的成功よりも家族や恋人間、子育てや友人などの人間関係・コミュニケーションで「つまづきたくない」「相手を悲しませたくない」と感じる人も多いでしょう。
その場合、共感力の低さや欠けをどのようにカバーすればいいのでしょうか? 次回へ続きます
共感力が低い人の弱点と強みの対比表
共感力が低い人の特徴(弱点) | 対応する強み |
---|---|
他人の視点を理解するのが難しい 自分の視点が中心で、他人の立場に立って物事を考えるのが苦手です。 | 自分の意見や視点を持ち、周囲に流されにくい芯の強さがある |
非言語的なサインの理解が苦手 表情や態度などの微妙なサインを察知できず、相手の感情に気づきにくい傾向があります。 | 表情や仕草よりも明確で論理的なコミュニケーションを重視し、言葉でのやり取りに強みがある |
他者の感情に興味が薄い 感情について深く考えたり他者の感情に関心を持ったりすることが少なく、冷淡に見えることもあります。 | 感情に左右されず、冷静で客観的な判断ができる |
自己中心的な発言が多い 悪意はないものの自分の話や考えを優先し、他人の意見や気持ちを軽視する傾向があります。 | 自分の考えをしっかりと伝えることで、周囲に対してリーダーシップを発揮できる |
他人の痛みや苦しみに無関心 他者が内心とても苦しんでいたとしてもそれを慮ることが苦手で、結果として無神経な態度を取ることがあります。 | 困難な状況でも動じず、冷静に対処できるため、危機管理能力が高い |
競争心が強い 他者と比較する傾向が強く、勝ち負けにこだわるあまり、共感するよりも競争心が優先されることが多いです。 | 成長意欲が強く、他人との比較が自己改善のモチベーションとなる |
人間関係が表面的 本当は求めていたとしても、深く感情的な繋がりを築くことが苦手で関係が形式的になりがちです。 | 必要以上に深い感情的な関係に縛られず、効率的に物事を進められる |
承認欲求が強い 認められたい、注目されたい、という点に意欲的なため、周囲と調和をとるよりも自分の意見や存在感を発揮することを重視する傾向があります。 | 高い目標を持ち、自分の価値を高めることに意欲的である |
指示やルールに固執する 他人の気持ちよりも、物事の正確さやルールの遵守に重きを置き、状況判断や前例を大切にする傾向があります。 | ルールや秩序を重視し、公平な判断を求める姿勢が強い |
自己基準で問題解決を図る傾向がある 問題が生じた際に相手の気持ちや立場や、そこに至った背景を考えるよりも、自分が思う「正解」や「理想の解決策」にフォーカスしがちです。 | 物事を論理的かつ客観的に見極め、自分の価値観に基づいて迅速な判断を下す能力がある |