ファーストステップでは、衝動的なリセット癖の背景にある「怒り」「悲しさ」「求めても満たされない想い」などを、いったん書き出し、言語化してみることで、リセットしたくなる気持ちの源に気づくことが大切だとお話ししました。

そして前回のセカンドステップでは、その気づきをベースに、相手と少しずつ歩み寄る方法を探ることについて触れました。
譲れる部分と譲れない部分を仕分けしたり、小出しに自分の気持ちを伝えたりすることで、これまで「全部リセット」しか選べなかった状況から一歩抜け出すヒントが見えてくるかもしれないよ、と伝えました。
とはいえ、どんなに自分なりに頑張っても「もう限界…」と感じたり、どうしても気持ちが整理できないこともありますよね! そんなときこそ、ラストステップとしてプロの力を借りるという選択肢についても考えてみましょう。
ラストステップ:ときには「プロの力」に頼ってみる

いくらがんばっても感情のやり場がわからず、「もう本当にリセットしたい!」と追い込まれることもあるでしょう。そんなときは、カウンセラーやメンタルヘルスの専門家など、プロの手を借りることを考えてみてください。
客観的な視点をもらう
カウンセラーは、あなたの感情を受け止めつつも、もう少し客観的に状況や感情を整理する手伝いをしてくれます。「リセット」以外の選択肢を見つけ出す糸口を一緒に探してくれるかもしれません。
コミュニケーション方法のトレーニング
人間関係における行き違いや誤解は、コミュニケーションスキルでカバーできる部分も多いです。専門家と一緒に会話の練習をしたり、ロールプレイをしたりすることで、「リセットしなくても修復できる自信」が少しずつ芽生えていきます。
自分を責めすぎない・相手も責めすぎない
「リセット癖」の裏には、過去のトラウマや強い自己否定感が潜んでいるばあいもあります。自分を必要以上に責めたり、逆に相手を一方的に悪者扱いしてしまうのは、どちらにとってもつらい結果に。
プロのサポートを借りながら、お互いを必要以上に責め立てず「程よい距離感で付き合う」道を探ってみましょう。
ポイント
「プロに相談するなんて大袈裟」と思う方もいるかもしれませんが、1回でも話してみると驚くほど楽になるケースは多いです。1人で感情を抱え込まないことが、リセット癖を手放す最善策のひとつです。
少しずつ「手放せる」自分になろう

リセット癖を手放すには、派手な一発逆転が必要なわけではありません。
- ファーストステップで自分の感情に気づき、文字や言葉にしてみる。
- セカンドステップで一気に断ち切るのではなく、少しずつ気持ちや考えを伝えて調整してみる。
- ラストステップでひとりで抱えきれないときは、思い切って専門家や客観的な視点を頼る。
これらを続けるうちに、「すぐに全部を切り捨てなくても、もっとラクに生きていけるかもしれない」と感じられるはずです。
たとえ時間はかかっても、「すべてをリセットして孤独になる」よりも、「関係を少しずつ修復しながら自分の居場所を広げる」ほうが、結果的にはあなた自身を強く優しく、『生きやすく』してくれます。
もし今、リセットしたくなるほどの苦しさを抱えている方がいたら、まずはノートに気持ちを書き出すところから始めてみませんか? そこからほんの少しだけ、勇気を出してみましょう。あなたの心が軽くなるきっかけになることを願っています。