「自分の気持ちがよく分からない」
「感情を言葉にするのが苦手…」
それは「失感情症(アレキシサイミア)」かもしれません。
アレキシサイミアとは?
アレキシサイミアは、失感情症と呼ばれることも多いので「感情がない」「感情を失っている」と誤解されることがありますが、そうではないのです。
「自分の今の気持ちに気づきにくい」「それを言葉で表すことが苦手」な状態を指します。悲しいのか、寂しいのか、怒っているのか──そうした気持ちをはっきりと自分で認識したり、相手に伝えたりすることが難しい状態のことです。
『失感情症』と呼ばれることも多く、受動型ASDの方に多く見られる傾向があると言われていますが、受動型ASD以外の人、たとえば不安症・うつ病・統合失調症(特に陰性症状)・脳の加齢など、さまざまな要因によっても起こる可能性があります。
アレキシサイミア/失感情症は、TAS-20という検査によって数値として明確に出すことが可能です。いずれにせよ自己判断は危ないので――他の病気かもしれないですしね!――必要であれば「TAS-20」をうけたいと主治医に仰ってくださいね。
アレキシサイミア/失感情症の問題点
身体症状(心身症)として現れやすい
→自分の感情に気づきにくいぶん、ストレスが溜まって緊張型頭痛・過敏性腸症候群など身体の不調として出ることもあるといわれています。
問題例
「最近、疲れているんじゃない?」と家族やパートナーから聞かれても、「疲れているかどうかが自分でわかりにくい」ので曖昧な返事になってしまうだけでなく、その陰で『病気が進行してしまっている』ことも。
誤解されやすい:アレキシサイミアと、受動型ASDは別物?

アレキシサイミアと受動型ASDは、基本的には別の概念です。ただし、両者が重なって見られる人もいるため、「まったく無関係」とは言い切れないところがあります。
それぞれの概要
アレキシサイミア
- 自分の感情を認識しづらい・言葉にしづらい状態や特徴を指します。
- 受動型ASD(自閉スペクトラム症)の方に多く見られる傾向があると言われていますが、受動型ASD以外の人やほかのメンタルヘルス(うつ病や不安症・統合失調症(陰性)・脳の加齢ほか)の課題を抱えている方にも生じます。
受動型ASD
- ASDの中でも「自分から積極的にかかわるより、相手に合わせたり流されたりしやすい受け身タイプ」として説明されることがあります。
- 社会的なやりとりにおいて、自ら主張して動くよりも相手に合わせることが多いため、一見すると「目立たず、困っていないように見える」こともあります。
なぜ混同されやすいのか
- 受動型ASDの方の中にアレキシサイミアの傾向を持つ人もいるため、「受動型ASD=アレキシサイミア」と思われがちなことがあります。
- 受動型ASDの人はコミュニケーションを自ら積極的にとることや、自己主張が苦手とされるので、そこが「自分の感情を言葉にしづらい」というアレキシサイミアの特徴と似て見えることがあります。
最後に~失感情症/アレキシサイミアにお悩みのかたへ

アレキシサイミアは決して「心がない」「感情を失っている」わけではありません。自分の感情がうまく掴めず、表すのが難しい状態なだけです。
まずは「w」「草」「🤣」など、初めは記号化された短い単語を使って、今の自分の感情に近いものを見つけていきましょう。ふだんからこれらの記号化されたものを使っている場合は、それを言語化するのが次のステップです。
- w →「ちょっとだけ面白かった」
- 草 →「なんだよそれ(笑)と思わずつっこみたくなった」
- 🤣 →「声を出して笑いそうになった/爆笑した」
具体的な対処法・心がけ

- 言葉にする練習をする
- 日記やメモを書く:今日あった出来事と、どんな気持ちになったかを書き留める習慣をつける
- 感情のリストを活用:たとえば「悲しい」「不安」「悔しい」「嬉しい」「楽しい」などの感情言葉をあらかじめ手元に置き、自分の状態に近いものを探してみる
- 身体感覚に目を向けて、日記に残す
- 「胸がドキドキしている」「お腹が重い感じがする」といった身体の変化をまず言葉にしてみると、そこから自分の感情に気づきやすくなります。
- カウンセリングや専門家の助けを借りる
- 心理士や精神科医、カウンセラーに相談し、少しずつ感情と向き合う方法を学ぶ。認知行動療法や対話を通して、感情に言葉を与えていくトレーニングも有効です。
- 周囲とのコミュニケーション方法を工夫する
- 「自分には自分の気持ちをつかんで説明するのが少し難しいところがある」と伝えておく。
- 相手にも「どう感じているのか、もう少し詳しく教えてくれると助かる」とお願いして、会話を丁寧に進める。
自分の今の状態を日記などに記録する癖をつけ、感情を言語化する練習を重ねていく。まずはここからです。安心して頼れる場所や頼れる人を見つけて、ぜひサポートを受けてみてくださいね✨