発達の凸凹がないにもかかわらず、「自信が持てず、できないことが多い」と感じる方へ今回のコラムをお届けします。
こんな話を聞いたことはありませんか?
家庭内で親子や夫婦間の喧嘩が多い環境で育った子どもは「聴く脳」が過剰に発達していることがあります。「もう聞きたくない!うんざりだ!」という思いから、脳がまるでスライムのようにとろけている様を想像してみてください。
さらに、家庭内で性的虐待や暴力が日常的に見せつけられたり、直接暴力や虐待を受けた場合には「見る脳」が委縮することがあります。
「もう見たくない! やめてくれ!」という感情に耐えながら、脳が硬直し、徐々に委縮していくのです。
- 身体的虐待:感情や理性に関係する脳が委縮
- 心理的虐待:「聴く脳」がスライムのように肥大して聴くことを放棄
- ネグレクト:脳の中央部が委縮する
このように、脳は環境によって肥大化や委縮、形の変化が起こります。このコラムを読んでいるあなたの脳も環境に影響を受けているかもしれません。もちろん、私も同じです。
では、アダルトチルドレンや愛着障害を持つ人々の脳はどうでしょうか?
アダルトチルドレンと愛着障害の「脳」の変形
愛着障害があると
⦁ 「Aを頑張ったらほめられるかな?」
⦁ 「Bで100点をとったら喜んでくれるよね!」
⦁ 「逆上がりが2回続けて出来たら大好きなハンバーグが夕食で出てくるかも!?」
など『ご褒美が得られるかもしれないからがんばるぞ!』と、前向きにがんばろうとする脳の範囲が委縮してしまっています。また、自己肯定感や喜びを感じる脳の領域も影響を受けています。
- 自分には価値がある
- 誰かが自分の声に耳を傾けてくれる
- 自分には愛される資格がある
機能不全家庭や毒親の下で育った場合、これらの脳の領域が委縮・肥大・変形してしまう可能性が高いです。
大人の脳は修復が難しい
- 機能不全家族で育った
- 毒親のもとで育った
- 親が敷いたレールの上を生きるように指示されて育った
- 親が僕/私の意見の過半数を聞き入れてくれなかった/否定されて育った
- アダルトチルドレンや愛着障害の自覚がある
上記5つのいずれか、もしくは2つ以上があてはまる家庭環境で育った人の脳は「委縮」もしくは「肥大」または「変形」している可能性があります。
上記にあてはまらない人と、あてはまる人とでは脳の大きさが20~30%も違います。
そりゃ「できないこと」が多くて当たり前なのね。発達特性や境界知能などが理由で出来ないことやミスを繰り返してしまい、そのたびに「叱責されたりうんざりされる機会が多い」。
そんな環境に日常がある子どもたちは、その恐怖や過度な緊張から脳が変形し更に「できないこと」を増やしてしまいます。
9歳以上になると脳の委縮や肥大はほとんどの場合、戻らないとされています
ですから、傷ついたお子さんにはできるだけ早期にカウンセリングが必要です。