「誰に向かってそんな口をきいてるの?」
毒親が使いがちな「誰に向かってそんな口をきいてるの?」「誰に向かって言ってるんだ」というセリフは、親の権威や立場を強調し、子どもの意見や感情を封じ込めるために使われることがあります。
このセリフを繰り返し聞かされると、子どもは「親には逆らってはいけない」という恐怖心を抱くようになったり、意見を述べること自体を諦めてしまう可能性があります。
一方で、良い親は子どもの発言を感情的に否定するのではなく、その背景にある気持ちや意図を理解しようと努めます。
良い親の例
子どもに寄り添い、冷静に話し合う姿勢を大切にします。
- 「喧嘩腰にならずに、きちんと意見を聞かせてほしい」
子どもの発言の背後にある感情や意図を聞き出し、相互理解を深めます。 - 「そんな言い方をされると、もうなにも言えなくなっちゃうよ」
子どもと同じ目線に立ち、親も自分の感情を率直に伝える。 - 「あなたの気持ちをもっとちゃんと知りたいから、ゆっくり聞かせてくれる?」
感情的な口論を避け、建設的な対話に導きます。 - 「私も感情的になっちゃったかも、ごめんね。あなたが本当に言いたかったことをもう一度聞かせてくれる?」
親が自身の感情を認め、修復を試みる態度を見せます。
「誰に向かってそんな口をきいてるの?」を解説
「誰に向かって言ってるんだ」「誰に向かってそんな口をきいてるの?」これらのセリフは、親が子どもの言動に対して強い不満や怒りを感じ、その感情をぶつける形で発せられたり、子どもを黙らせ、反論を封じるために高圧的に使われる場合があります。
親の立場を利用して子どもを心理的に抑え込む意図が含まれていることが多いですが、いつの間にか大人びた主張をするようになったわが子に驚くあまり、反射的に言ってしまうこともあります。
親御さんへ
- 自己否定感
この言葉は、「親に口答えするのは間違っている」というメッセージを強く伝えます。そのため、子どもは自分の意見や感情を否定されていると感じることが多いです。 - 恐怖心や不安感
高圧的な言葉のため、子どもは親に逆らうことへの恐怖を感じるようになります。親の権威を過剰に恐れ、意見を言うことを控えるようになる場合も。 - コミュニケーションの断絶
子どもが「自分の意見は聞いてもらえない」と感じることで、親とのコミュニケーションを避けるようになり、信頼関係が損なわれる可能性があります。 - 怒りや反抗心の芽生え
特に成長するにつれて、この言葉が理不尽だと感じる場合、子どもが内心で怒りや反発心を抱えることもあります。
毒親は、こうした言葉を使って子どもの発言力を抑圧する一方で、良い親は発言の背景を理解し、より良い関係を築こうとします。
親自身も感情的になることがありますが、その後に冷静に振り返り、子どもの意見を尊重する姿勢を示すことが大切です。子どもが発した意見や感情は、親にとって理不尽に思えるものでも「成長のひとつ」と“いったん”受け止めることで健全なコミュニケーションが生まれます。
このような言葉が無意識に出てしまう背景には、親自身が育ってきた環境やストレスが関係している場合もあります。親もまた自分を振り返り、言葉の影響について学ぶことが大切です。