お医者さんや心理師・カウンセラーが診察時に「どうですか?」「最近どうですか?」と聞くことってよくありますよね。
実際のところ…この質問にどう答えればいいのか、迷う人って多いと思います。そのようなかたのために今回のコラムをまとめました。
主治医が知りたい「最近どうですか?」本当は教えてほしい17項目
番号 | 内 容 | 重要度 |
---|---|---|
1 | 学校や職場で困っていることはありますか? | ★★★★★ |
2 | 学校の友達とモメている、悪口を言われているなどはありますか? | ★★★☆☆ |
3 | 職場の人たちと円滑に仕事をすすめられていますか? | ★★★☆☆ |
4 | 職場の先輩や上司から意地悪を言われたり、仕事や残業を押し付けられていませんか? | ★★★☆☆ |
5 | お薬に副作用は出ていませんか? | ★★★★★ |
6 | お薬は効いていますか? | ★★★★☆ |
7 | 頭痛や腹痛、めまいやふらつきはありますか? | ★★★★☆ |
8 | 前回の来院時から今回の来院時のあいだに、睡眠不足や睡眠過多などはありませんか? | ★★★☆☆ |
9 | 寝つきは良いですか? 2~3時間おきに目が覚めてしまうことはありませんか? | ★★★☆☆ |
10 | 意思に反して、口の周りや舌が勝手に動いたり、全身が強張ったり、手や足が勝手に動いて気持ちが悪かったり、そわそわと落ち着かない症状はでていませんか? | ★★★★★ |
11 | 直近の1週間~10日間で、洗濯剤や柔軟剤のにおいが強く感じることはありませんか? | ★★★★★ |
12 | ご飯は1日3食おいしく食べられていますか? | ★★★☆☆ |
13 | 前回の来院時から今回の来院時のあいだに、食欲が落ちた、もしくは食欲が爆発していることはありませんか? | ★★★☆☆ |
14 | 直近の1週間~10日間で、体が重い・だるい・しんどいと感じることはありますか? | ★★★★☆ |
15 | 体や頭に痛む箇所や、“ちくちくと刺すような痛み”を感じる部位はありませんか? | ★★★★★ |
16 | 直近の1週間~10日間で、イライラしたりくよくよしたり、不安に思ったことはありますか? | ★★★★☆ |
17 | 前回の来院時から今回の来院時のあいだに、「死にたい」「消えてしまいたい」と思ってしまった瞬間や、その思いに半日以上とらわれてしまった日はありますか? 幻聴や幻覚などはありませんか? | ★★★★★ |
「どうですか?」って何を聞かれているの?
医師等が「どうですか?」とたずねる際、彼らは患者さんの全体的な健康状態や最近の変化についての情報を求めています。この質問は身体的な症状だけでなく、精神的な状態や生活の質についても含まれることが多いです。
しかし、患者さんにとってはこの質問が非常に広範であるため、具体的に何を答えればよいのかが分かりにくいのが現実です。そのため、患者さんは以下のような曖昧な答えをしがちです。
- 「大丈夫です」
- 「いつもと変わりません」
- 「はい…」
- 「ちょっとしんどいかな…」
- 「たぶん、大丈夫だと思います…」
これでは医師も適切な対応が難しく、「いつもと同じ薬を出しますね」や「お薬、少し増やしておきますか?」といった反応に終始することが多くなります。
おすすめの答え方
医師や心理師・カウンセラー等の質問に対してより具体的な情報を提供することで、診察がより効果的になります。以下のような答え方を考慮してみてください。
具体的な症状を述べる
例▶「1週間前から頭痛が頻繁にあります。特に朝起きたときに感じます」
日常生活の変化を伝える
例▶「1か月くらい前から、仕事に集中するのが難しくなってきました」
感情や気分について話す
例▶「2週間前から、自信がなくなり不安を感じることが多いです」
症状の程度を説明する
例▶「たまに腹痛がありますが、痛みの強さは軽いです」
医師に具体的な質問をする
例▶「この症状はなにかの病気の可能性があるんでしょうか?」
言いづらい「おくすりの効果」に関すること
多くの患者さんが薬の効果や副作用について、主治医に言いづらさを感じているようです。
そこで具体的な表現方法や医師たちが知りたい情報を、整理するための17項目を提案します。
これにより患者さんが自分の状態を明確に伝えられるようになり、適切な治療や支援を受けられることとなりますように!
副作用が出ている場合
薬を服用していると、時には副作用が現れることがあります。以下に「近い症状、近い副作用」があれば、これらの表現を使って、医師に伝えてみてください。くれぐれもご自身の判断で怠薬・減薬・断薬なさりませんよう。
1. 全般的な倦怠感・意欲低下 続きを読む
▶体が重い、だるい、何もする気が起きないなど
・「うまく言えないけど、しんどくなりました…」
・「起き上がれないくらいしんどくなります」
・「うまく言えないけど、食事を摂ったりお風呂に入るのが億劫になり体が重いです…」
2. 気分の落ち込み・不安定さ 続きを読む
▶悲しみ、不安、イライラ、涙もろさなど
・「うまく言えないけど、かなしい気持ちが続いています…」
・「うまく言えないけど、なんかすごくざわざわして落ち着きません…」
・「怒りたくないのにイライラします」
・「勝手に涙が出てきます」
・「昔の悲しい気持ちを思い出して苦しいです」
3. 体の動きや感覚の異常 続きを読む
▶体のこわばり、意図しない動き、口周りの違和感など
・「手や足が勝手に動こうとして気持ちが悪いです…」
・「体が強張って自由に動きづらいです…」
・「口の周りがモヤモヤします」
・「舌が口の中で勝手に動いて気持ちが悪いです」
4. 強い眠気 続きを読む
・「うまく言えないけど、なんか眠くて眠くて…」
あてはまる、または近い症状が出ていたらこれらの表現を使うことで、医師はあなたの状態を理解し、必要に応じて薬の処方を見直すことができます。
薬の効果が感じられない? 医師への上手な伝え方
「薬を飲んでいるけど、前とあまり変わらない気がする…」
もし、このように感じているなら、遠慮なく医師に伝えてみてください。
あなたが正直に話してくれることで、医師は今の状態をしっかり把握し、「これからどうすれば一番良いか」を一緒に考えることができます。
遠慮はまったく必要ありません。 なぜなら、
- 合わない薬を飲み続けて、回復が遅れてしまう
- 副作用が出ている薬を我慢して、つらい思いをしたり、危険な状態になったりする
といったことを避けるためにも、感じていることを伝えるのがとても大切だからです。
👉「大丈夫です」と言ってしまう気持ちも分かります
カウンセリングで「最近どうですか?」とお聞きすると、「大丈夫です」と答える方は少なくありません。でも、詳しくお話を伺ううちに、実はご本人も気づいていなかった問題や、心配な点が見つかることもよくあります。「大丈夫」と言ってしまう気持ちもよく分かりますが、少しでも気になることや、「変わらないな」と感じることがあれば、ぜひ言葉にして教えてください。
👉診察をスムーズに進めるために
もし可能であれば、このコラムの冒頭にある『17項目』について、診察前にご自身の状態をメモなどにまとめておいていただけると、私たち医療者はとても助かります。
事前に考えをまとめておくことで、限られた診察時間でもあなたの状態をスムーズに、そして正確に伝えることができ、結果としてあなたにとって本当に必要な治療やサポートを受けやすくなります。