隠れ毒親が与える影響
毒親の中には、暴力や暴言・アルコール中毒や薬物中毒といった、誰の目にも明らかな「毒な行動」を示すものがあります。
しかし、近年注目されているのは、表面的には分かりにくい「隠れ毒親」の存在です。
表に現れる「毒親」とは?
暴力や暴言を振るう親、アルコールや薬物中毒に陥った親は、子どもに肉体的・精神的な苦痛を与えるため、子どもは比較的早い段階で自立への道を選ぶことが多いです。
家を出る、親子の縁を切る(戸籍上は難しいとしても)といった選択をすることが、その例です。
見えにくい「隠れ毒親」の影響
一方で、「隠れ毒親」と呼ばれるタイプの親は外から見て分かりにくい方法で子どもに影響を与えます。
例えば、「子どものために」とレールを敷き、自主性を奪ってしまう親がその典型です。
これにより、子どもは自分で考えたり行動したりする力を徐々に失い、親の影響から抜け出すのが難しくなります。
隠れ毒親の影響は、子どもが成長して社会に出てから、遅れて現れることが多いです。
多くの子どもたちは「親は自分のために最善を尽くしてくれたはず」と信じ込み、親の行動が間違っているとは気づかないことが多いのです。
「隠れ毒親」の子どもたち~カウンセリングの課題
隠れ毒親の影響を受けた子どもたちにとって、カウンセリングは長期戦になることが少なくありません。親の偏った愛情を一部否定することになるため、患者自身が親の行動を見直し、理解するプロセスが難しく、時間がかかるからです。
「信じようとしてきた」偏った愛情
高校を卒業して人生の岐路に立つ頃にや、社会へ出てから、長く言葉にできなかった「違和感」「もやもや」に気づいて苦しむ子たちが多いと感じます。
彼らは「親は自分のためによかれと色々してくれたはずだから」と、親は間違っていない! 問題があるのは自分だ! 自分がダメなのだ! と、根本原因に気づかないもしくは心に蓋をしてしまったり、見ないふりをしてしまうことも。
こういったばあい、カウセリングが難しくなることもあります。なぜなら彼らが「信じてきた、信じようとして、でもどうしてだか得体のしれない苦しみがあったもの」=「親御さんの偏愛」の一部を否定しなければならないためです。