人を信じることができないのは悲しいこと?
人を信用することができないという悩みをかかえている方は多いです。
友達を、彼氏を、彼女を、なんなら自分以外を心から信用できない人もいますし、そんなご自身を最低だ…と言う人もおられます。
人を信じることができないなんて、当然ですっ! むしろ、正解です!
人間はふつうに生きているだけで、1日に少なからず7回はウソを吐くと言われています。
社交辞令や心にもないお世辞や「いいね」、匿名であることをいいことに虚勢を張ったコメントをつけたりetc…というのもウソになります。
1日に7回もウソを吐く人たちをそんなに簡単に信じちゃだめです(笑)
自分以外を心から信用できない。そんな自分最低だ…
いえいえいえ。
むしろ、最高です。心療内科に勤めている私から見れば、自己防衛完璧。危機管理能力100%! と褒めたいくらいです。冗談抜きでね。
でも、人を信用したいのにできないという悩みを持つ人にとって、そのことは深刻です。さて、どうしたら信用することができるんでしょうか?
私は患者さんにこのように言っています。
「この分野はAさんの意見が信用できる」
「この分野はBさんの意見が信用できる」
など、分野ごとに分けて信じてみませんかと。
「えっ…そんなの難しそう……」って思われるかもしれないけれど、今このコラムを読んでくださっている方も、実はもうそんな風なことをやっておられる可能性が大ですよ?
- 恋愛の悩みは親友の〇〇に相談しよう
- 体の悩みは××先輩の方が話しやすいな
- 親子関係や神経発達症については主治医が信用できそうだ
とかって、無意識に相談相手を選んでいる人が多い気がします。
そんな風にして、誰か1人に100%の信頼をあずけるのはハードルがとっても高いです。だからまずは「100%の信頼」をカテゴリー毎に分割。
他者を信用するというハードルを低く小さく設定するところから始めてみませんか?
友だちや恋人をつねに疑ってかかったり、「本当のことを言ってくれてるのかな…」「信じてもいいのかな…」と思いながら付き合っていくのは他ならぬ自分自身がもっともしんどいです。
私もそうですよ。「このジャンルはあの先生が詳しいけど、あの先生は話を盛るクセがあるから7割だけ信じよう」とかって、いつも調整しています(笑)
全幅の信頼を置くって、誰にとっても実はかなりハードルが高いことです。とくに機能不全家族で育ったり、いじめや裏切りを受けて深くつらい思いをしたことのある人にとっては。
それでももう一度人を信じてみたいと思う気持ちはとっても尊く美しく繊細なものです。ですので、少しずつ少しずつ。分配、分配。
信用分割性からやがて統一へ
人を信じるのは実はとてつもなく高いハードル。
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なかなか人を信じることができないのは、「危機管理ができている」とも言えるので、欠点でも短所でもない。むしろ長所。
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だけど、人を(もう一度)信じてみたい…。
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信用分割性の導入手順(例)
⦁ 恋愛相談はAさんに
⦁ 進学、進路相談はBさんに
⦁ 就職や転職相談はC先輩に
⦁ 親子関係の相談はD先生に
⦁ 友だち関係の相談はE先輩にするけど、ポジティブすぎることもあるので8割だけ受け入れよう
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C先輩は恋愛経験も豊富だってことが分かった! 前回C先輩にもらったアドバイスはすっごく役に立った。ありがたかった。
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恋愛相談と転職相談は今後、C先輩に一番にしよう。でもAさんは優しくて話しやすいから、Aさんにはこれからも意見を聞こう。
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C先輩に対する信頼感がぐいぐい上がる。Aさんに対する信頼は安定に。
こんな風に<信用分割性を導入>から始めて<信用や信頼の統一>に繋げていく。
うちの母なんかもよく言ってました。
「〇〇さんはいい人なんだけど、ちょっと口が滑りやすいのよね~」
「△△さんは物知りなんだけど、正論で返されるから相談しにくいのよね~」
大人になっても、ただひとりの人に全幅の信頼を置くことってめちゃムズです。『高い守秘義務がある』私への相談は、お問合せからどうぞです。