もう一度、人を信じたい~不安を減らして信頼を取り戻す「分散のススメ」

人間関係

1.「人を信じられない」は本当にダメなこと?

「友達も恋人も信用できない」「こんな自分は最低だ」と感じている方は、多くいらっしゃいます。
しかし実は“人をそう簡単に信じられない”のは、危機管理ができている証拠とも言えます。

人間は1日に平均7回ほどウソをつく――というデータがあります。社交辞令や勢いで書き込んだSNSのコメントなど、「悪意のないウソ」も含めれば、たしかに7回どころかもっと多いかもしれません。そう考えると、“なかなか人を信じられない”のは自然な自己防衛とも言えるのです。

2.信じたいのに信じられない…その悩みが深刻な理由

それでも「もう一度、人を信じてみたい」と思っているのに、なかなか踏み出せないのはとてもつらいこと。実際にクリニックやオンラインカウンセリングでも、「信じられない自分がしんどい」というご相談をよくいただきます。

  • 機能不全な家族環境で育った
  • いじめや裏切りに苦しんだトラウマがある

過去の体験から「誰かを100%信頼する」ことが、気持ちの上で難しくなっている方は少なくありません。でも、だからこそ“もう一度信じたい”という思いは、とても尊く美しい感情です。その気持ちをぜひ大切にしてほしいのです。

3.「分散」という考え方で、信頼のハードルを下げる

いきなり「この人に全部を打ち明けよう」とするのは、ハードルが高すぎるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、「信用分割性」という考え方です。

◇信用分割性のステップ例

  1. 相談ごとをジャンルで分ける
    • 恋愛の悩みはAさん
    • 進学・進路相談はB先生
    • 就職・転職の相談はC先輩
    • 親子関係のことはD先生
    • 友だち関係はE先輩(ただし、ポジティブ過ぎるので8割だけ受け入れる)
  2. 相談してみた結果、少しずつ信頼を調整する
    • C先輩の転職アドバイスが的確だった。次は恋愛の悩みも聞いてみよう
    • Aさんは優しくて話しやすいから、継続して意見を取り入れたい
    • E先輩は明るく勇気づけてくれるけど、楽観的すぎる部分は差し引きしよう

こうして「信頼」を一人の人物に100%預けるのではなく、複数の相手に分割してみると、ずっと気持ちがラクになります。一人に全部背負わせなくてもいいし、自分も無理に“心を丸ごと開く”必要がないので、関係がスムーズに続きやすくなるのです。

4.人を疑うほど、実は自分がしんどい

「この人、本当のこと言ってるのかな…」と常に疑っていると、自分自身が一番疲れてしまいます。私自身もそうです。信頼できそうな先生がいても、「あの先生はちょっと話を盛るクセがあるから7割だけ信じよう」と、いつも微調整しています(笑)。

  • 全幅の信頼を置くのは、誰にとってもハードルが高い
  • 経験や環境によって、人は多かれ少なかれ“疑いのフィルター”を持っている

だからこそ、「分割して信頼する」というスタンスが大切なのです。自分も相手も「100%の信頼」を求められなければ、精神的な負担がずいぶん和らぎます。

5.少しずつ分割から統合へ

「一部しか信用していなかった相手の別の面を知って、信頼度が増す」ということもよくあります。最初はたった1割の信頼だったかもしれませんが、その人と関わるうちに「このジャンルは意外と得意なんだ」「思ったより誠実だった」と気づく瞬間が出てくるのです。

そうやって小さな積み重ねを続けるうちに、ある分野だけでなく他の分野でも頼れる関係へと発展していく。すると自然に「信頼の統一」へとつながっていくのです。

6.まとめ:もう一度、人を信じてみたいあなたへ

  • 人を信じられないのは決して悪いことではない
  • 危機管理や自己防衛がしっかりしているからこそ、簡単には信用できない
  • だからこそ「分割」の視点で信頼してみると心がラクになる
  • 小さな積み重ねが信頼を統合していく
  • いきなり100%じゃなくてOK!無理のない範囲で始めてみよう

「でも、どうにも自分の気持ちを整理できない」と感じたときは、専門家を頼るのも一つの方法です。高い守秘義務をもつ公認心理士や医師に話すことで安心感が生まれ、心が軽くなるケースは多いです。

誰もが一人では生きられません。大切なのは、信じられない自分を否定せず、ちょっとずつ「信頼のハードル」を下げてみること。その第一歩は、誰か一人でもいいから「この部分なら信じてみよう」と思える相手を見つけることかもしれません。

もし「私に相談してみたい」という方がいらっしゃったら、お問合せフォーム・公式LINEからお気軽にどうぞ。私もまだまだ試行錯誤中ですが、話し相手がいるだけでラクになる方はたくさんおられます。あなたが「もう一度、人を信じたい」と思った瞬間から、その気持ちはきっと少しずつ育っていきますよ。

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