毒親が言いがちな言葉20
毒親(毒になる親)が子どもに対してよく使うセリフは、心理的なコントロールや子どもの自己肯定感を低下させる目的で使われることが多いです。
- 「あんたのためを思って言ってるのよ」
(実際は親の支配や価値観の押し付け) - 「そんなことして恥ずかしくないの?」
(罪悪感を植え付ける) - 「誰に向かってそんな口をきいてるの?」
(親への絶対服従を求める) - 「あんたなんか産まなきゃよかった」
(極めて傷つく言葉で自己否定を促す) - 「他の子はもっとできるのに、なんであんたは…」
(他人と比較して劣等感を与える) - 「そんなことだから友達ができないのよ」
(人格否定) - 「あんたのせいで私はこんなに苦労してる」
(罪悪感を押し付ける) - 「泣いたって何も変わらないから」
(感情を抑圧させる) - 「私が正しいんだから黙って言うことを聞きなさい」
(親の価値観を絶対化) - 「お前には無理だからやめておきなさい」
(子どもの可能性を否定) - 「いい子でいれば愛してあげる」
(無条件の愛を与えない) - 「うちの子なんだから当たり前でしょ」
(努力を否定し、親の功績にする) - 「そんなこともできないの? バカじゃないの?」
(直接的な人格攻撃) - 「親に向かってそんな態度を取るなんて(そんなことを言うなんて)恩知らず!」
(子どもの意思表現を封じる) - 「あなたのためにしてあげてるのに」
(見返りを求める恩着せがましい押し付ける愛) - 「どうしてこんな簡単なことができないの?」
(子どもの自信を削ぐ) - 「そんなことで誰かがあんたを好きになると思う?」
(自己価値の否定) - 「もっとちゃんとしなさい」
(漠然とした要求でプレッシャーをかける) - 「あんたの考えはおかしいよ」
(子どもの個性や意見を否定) - 「なんで私ばっかりこんな思いをしなきゃいけないの?」
(子どもに不必要な負担感を与える)
そんな親なら捨てちゃえば?
私が子どもの頃は今のようにSNSやネットが普及していなかったこともあって、「自分の家が特別おかしい」もしくは「自分の親はまともで、自分が特別におかしい」のだからたとえ友達にでも相談するわけにはいかないという子が私自身を含め多かったように思います。
家庭内に落ち着ける居場所がなく、もっともしんどくてつらいことを誰にも相談できず、さらに孤独を深めていく当時の子ども達にとってセンセーショナルな出来事がおきました。
日本一醜い親への手紙
という本が1997年に発行され、瞬く間に日本中の話題にあがりました。この書籍は親から虐待を受けた人々から公募した手紙を集めたもので、累計30万部のベストセラーとなりました。
その後、2017年には新たに手紙を公募し、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』と再出版されています。
児童虐待の相談件数はこの25年間で100倍に増え、5日に1人の割合で虐待によって子どもが命を落としています。
少子化を憂える一方で、子どもの人権や命が軽んじられている、それが今の日本の現状です。本書は、親に書いた手紙という形式によって、当事者の過酷な親子関係を世に伝え、子どもの人権が守られない日本の現状に100石を投じます。
自分以外にも、自分と似たような境遇や苦しみを抱えている人達がいるという事実は間違いなく当時の――毒親に悩みもがく子ども達の心に一筋の光をあてました。
孤独に生きていかねばならないと思っていたのに、突如として日本各地に同志がいるという事実を知ったあの日に、私は「正しく、気高く生きよう」と決めました。
それまで親を憎みながらも、うまくいかないことを親や育ちのせいにして自分に甘く言い訳をしながら生きてきた自分を見つめなおし「醜い親とは決別してもいいんだ」「醜い嫌は捨てても去っても構わない」と腹をくくり、自分の生き方を自分で決められたのはこの本に出逢ったからといっても過言ではありません。
『日本一醜い親への手紙』
読むに堪えない惨い親がこの日本に多く存在し、それに苦しんでいる子ども達が大勢いると知れたあの日。
この本が最初に刊行されて30年ほどの時が経ちましたが、毒親に心を壊されている、今まさに壊されようとしている子ども達は依然として少なくありません。
私はそんな子ども達を診て、ケアサポートを続ける仕事に就いています。しかし本来であれば彼らの「親」さらに「その親」がカウンセリングや治療対象のはずです。
子どもばかりが親を許さねばならないのは、おかしいですから。