ある日を境にADHD特性のある患者さんから届くメッセージの文末に「読んでいただけたら幸甚です」「次回のカウンセリングでお話しできれば幸甚です」「先生の患者でいられて私は幸甚です」と、幸甚が咲き乱れるようになった。
こういった現象は時々起こります。
とくにADHD特性の女性に多く見られるという印象が私にはありますが、もちろんその限りではありません。
ハマる単語、ハマる言い回し
- 初めてみた()単語
- 初めてみた()フレーズ
()の中に入る言葉は以下のようなものがあります。
- かっこよさげな
- 賢そうな
- オシャレな
- 流行っていそうな
- 急に気に入った絵文字
- 急に気に入った言い回し
- 憧れの人が使っている絵文字やスタンプ、フレーズ、言い回し
賢そうな人が使っているビジネス用語や、流行に敏感な人が使い始めたカタカナ用語やオシャレなフレーズ、知性を感じさせる“わかってるっぽい言い回し”は使いたくなるんです♡
なるほどー
私はこれらの現象を「ハマる」と呼んでいますが、ADHDの「衝動性」と「飽き性」がそうさせるのか、一時的に熱病のようにハマり、台風のように一過していく彼ら彼女らのハマりフレーズを見聞きしていると、
彼らがここ最近どんな風に社会生活を送っていたか、どんな人たちと一緒に過ごしていたかが透けて見えるため、カウンセリングやヒアリングがとてもしやすいです。
ハマりやすい彼らに重要な案件を依頼するときの注意点
- 初めてみた単語
- 初めてみたフレーズ
これらに目が留まりやすく、印象に残りやすい傾向を持つ彼らに重要なお願いをする場合(おつかい/仕事/報連相)、初見の単語やフレーズは可能な限り控える方が良いでしょう。
そちらに意識が向いてしまい、重要な内容・重要事項、本来やらなければならないことや緊急性の高い着手しなければならないモノゴトが記憶からぽろりと落っこちてしまうことが少なくありません。
オマケ
韓国ドラマ「愛の不時着」に夢中になり、主役のひとりヒョンビン氏に恋に落ちてしまった60代のADHD患者さんはカウンセリング後に毎回送ってくださるお礼のメッセージが一時期すべてハングルでした(笑)
尚、すべてのADHD特性を持つ方にこちらの「ハマる現象」が起こるわけではありません