ADHD男子のための恋愛フローチャート|衝動性&マイナス白黒思考を乗り越えて両思いへ

発達障害・特性

はじめに

恋愛はワクワクする反面、ちょっとしたことで不安になったり落ち込んだりしやすいものですよね。

特に、衝動性が強いと「思い立ったらすぐ行動!」となりやすかったり、相手の些細な反応に一喜一憂して「もうダメだ」「もう終わりだ…」と極端に思い込んでしまう方にとっては、気になる相手とのやり取りが大きなストレスになり、そのことばかりを考えて他のことが手につかなくなったり。

本コラムは、ADHDの特性(衝動性・白黒思考・0か100か思考)があり、マイナス思考に支配されやすく過剰反応してしまう性格傾向を持つ男性を主な対象として、意中の相手と気持ちを通わせるまでの道のりをわかりやすいフローチャートとともに解説するものです。

「未読・既読が気になって仕方ない」「返事が来ないとすぐ落ち込んでしまう」「白黒はっきりさせたいあまりに一気に突っ走ってしまう」といった性格は自分のことも、相手のことも疲れさせてしまいます。

恋愛は1人でするものではなく、相手がいるものです。

大切なのは「違った見方をしてみること」だったり、「選択肢をいくつも用意してみること」。これだけで、相手の反応に合わせたスムーズなやり取りや、自分が無理なく動けるタイミングを掴みやすくなります。

このコラムでは、どんなシチュエーションが起こりうるかを具体例とともに示しながら、「もしこうだったら、こうしてみよう」「こう考えたらちょっと楽になるかも」という新しい切り口を紹介していきます。

読み進めるうちに、恋愛のハードルが少しずつ下がり、今までモヤモヤしていたやり取りがスムーズにいく感覚を得られることを願います。あなたの想いが相手にきちんと届くよう、やさしく、わかりやすく、そして具体的なステップを踏まえながら解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 本コラムの内容が適している人

以下のようなADHD特性と性格がある

  1. 衝動性がある
    • 「機が熟すまで待つ」や「タイミングを見計らう」のが難しく、思い立ったらすぐ行動してしまいがち。
    • 例:相手の返事を待てず、何度も連絡をしてしまう。追いメッセージをしてしまう。
    • 例:相手の予定次第ではなく、自分のその瞬間の感情で相手に連絡をしてしまったり、メッセージのやり取りを続けようとしてしまう。
    • 例:相手の都合や体調を考えるに及ばず(相手の前日・当日・翌日の都合や体力の消耗具合を念頭におかず)メッセージのやり取りや通話をしてしまいたくなる。
  2. マイナス思考での過剰反応
    • 相手の些細な言動に強く心が揺さぶられ、必要以上に落ち込んだり悲観的になってしまう。
    • 例:「今日返事が来ない=嫌われた!」「もう終わった!」と思い込んでしまう。
  3. 白黒思考(0か100か思考)
    • 「うまくいくか、もうダメか」の両極端になりやすい。
    • 例:少し自分にとって嬉しくない反応があると、「やっぱりダメだ」と一気に諦めてしまう。

なぜ「複数の選択肢」が重要なのか

  • 衝動性がある場合、1つの判断基準(タイミング)だけを与えられると「今しかない!」と思い込み、慌てて行動しがち。
  • 選択肢が複数あることで、「まだ他の手段がある」「今はこの選択肢は見送っておこう」と考えやすくなる。
  • マイナス思考で落ち込みそうなときにも、「もし○○かもしれない」「△△かもしれない」という複数の可能性を提示することで、「もうダメだ…」と即断するのを防ぐ。

2. 相手の反応別フローチャートをつくる

衝動的に動きやすく、それでいて過剰反応してしまうほどマイナス思考も強い人は、意中の相手との会話や相手の行動パターンを『複数想定』し、相手がとりそうな反応に対して『自分がどのように行動を選択していくか』を手書きのフローチャートにしてまとめると、落ち着いて恋に取り組むことができます。

現時点で「相手の反応がない(弱い・またはわかりにくい)」場合、マイナス思考が発動し、落ち着いて考えるのが難しいかもしれません。そういった時には自分だけで結論を急いで出さずに「誰かに相談する」ことが大切です。暴走も急停止も待って!

以下は実際に私のカウンセリングで、相談者の特性や性格に合わせて作成したフローチャートを正書したものです。私のカウンセリングでは進むべき手順やスケジュールをできる限り明確に『見える化』するように心がけています。

3. 過剰反応・マイナス思考を抑えるためのヒント

シチュエーション例

  • 昨日までメッセージのやり取りをしていたのに、今日は既読にならない
    • 複数の可能性を考える
      • 仕事の休憩時間が取れないのかも?
      • バイトで忙しいのかも?
      • 昨晩遅くまでやりとりしていたから、まだ寝ているのかも?
      • 月末で業務が立て込んでいるのかも?
      • 昨日は友達と出かけると言っていたから疲れているのかも?
      • 週末に友達と出かけると言っていたから、準備で忙しいのかも?
      • 家族のイベントがあると話していたから、準備で忙しいのかも?
    • 「まだ嫌われたとは限らない」「相手も事情があるかもしれない」と意識的に考えてみる。
  • 昨日までメッセージのやり取りをしていたのに、今日、未読のまま6時間以上が経過
    • 「もう終わった」「もうダメだ」と断定するのは早すぎる。
    • まずは「あと○時間は様子を見よう」「明日までは待ってみよう」など、一度“期限”を区切ってみる。
    • 期限を設定しても不安が強い場合は、信頼できる相手(先生や支援者など)に「実は今こういう状態で不安なんです」と話してみる。

ポイント

  • 白黒思考に陥らないために
    「0か100か」で考えず、「黒(完全に嫌われた)」と思う前に「グレー(まだわからない状態)」を意識してみる。
  • 衝動性を抑えるために
    「すぐ行動を起こしてしまう」という自覚がある場合は、「あと○時間だけ待つ」「1日待つ」「第三者に相談してから行動」といった中間ステップを必ず入れる。
  • マイナス思考を緩和するために
    シチュエーションごとに「考えられる複数の理由」「他の可能性」を自分に言い聞かせる習慣を作る。
    例:「未読が続いている=忙しいかもしれないし、充電が切れてるのかもしれないし、体調不良かもしれない」

4. 「サポート役」との連携

  • 先生や支援者、友人など第三者に相談することは、マイナス思考・白黒思考を和らげる大きな手助けになる。
  • 衝動的に断定して動き出す前に、一度話す習慣を持つことで、客観的な視点やアドバイスを得られる。
  • 「これ以上メッセージを送るのは迷惑じゃないかな」「ここで諦めるのは早いかな?」といった悩みも、第三者に聞いてみると意外と冷静になれる。

相談をする時に大切にしてほしいことは「話を端折らないこと」

先生や友人がその恋の一連の流れをすべて知っているなら別ですが、パーツパーツで相談している(する)場合は、端折らずAtoZで聞いてもらうと、「相手の性格や相手の傾向」が見えるのでアドバイスに正確さが出やすいです。

5. おわりに

恋愛のやりとりは相手との呼吸が大切です。

ADHD特性のある方は衝動的になりやすかったり、一度不安にかられると極端に落ち込んでしまいがちですが、複数の選択肢途中で誰かに相談するステップをあらかじめ組み込んでおくことで、その衝動と不安をコントロールしやすくなります。

  • タイミングを見計らう…すぐに行動しないために複数の「待機ポイント」を設定
  • マイナス思考になったとき…「いくつもの理由」を考え、決めつけを避ける
  • 白黒思考になったとき…「まだグレーゾーンがある」と言い聞かせる

これらを意識して、焦らず行動し、相手とのよい関係を築いていきましょう。どうしても一人で抱えきれないときは、迷わず周囲に相談することが成功への大きな近道です。

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