4月。新しい環境での生活がスタートし、期待とともに少し緊張した日々を送っている方も多いのではないでしょうか。
新しい職場、初めてのアルバイト、部署異動…慣れない環境での人間関係は、時に大きなストレスの原因となることがあります。
「なんだか最近、疲れやすいな」
「職場やバイト先に行こうとすると、気分が重くなる…」
もし、そんな風に感じているなら少しだけ立ち止まって、ご自身の心と体の声に耳を傾けてみませんか?
もしかして、心と体がサインを送っていませんか?

新しい環境への適応や人間関係のストレスは、知らず知らずのうちに心だけでなく、体にも影響を与えることがあります。以下のような変化に気づいたら、それは「少し休んで」「自分を大切にして」という体からのサインかもしれません。
- 睡眠の変化 なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう
- 食欲の変化 食欲がなくなったり、逆に食べ過ぎてしまったりする
- 出勤・出社前の不調 家を出る前になると吐き気や頭痛、腹痛を感じる
- 体のサイン めまいや立ちくらみ、これまでと違う便秘や下痢、耳鳴り、原因不明の湿疹やかゆみ(寝ている間に無意識に掻いてしまうなど)
- 気分の変化 何をするのも億劫に感じる、集中力が続かない、ちょっとしたことでイライラしたり涙が出たりする
- その他 物が以前より重く感じる(ペンやお箸など)、抜け毛が増える
これらのサインは、あなたが今、頑張りすぎているサインかもしれません。
今のあなたにもっとも必要なこと
ADHDやASDやLDなど、発達障害の特性傾向により、環境の変化に大きなストレスを感じるかたがいます。「ご自身のルール」と社会のルールの違いに強いストレスをおぼえる人もいます。
「引継ぎマニュアル」の完成度の低さにイライラを感じる人、おぼえることの多さに脳がパンク寸前で疲労しきっている人もいるでしょう。
そんなあなたに必要なファーストステップは? まずは今、あなたの心と体に起きているしんどさの原因を「冷静に分析」してくれる人が必要です。と、その前にひとつ――。
確認:最近起きた「新しいこと」ありませんか?
新しいことって誰にとってもわくわくするわけではありません。もしかすると以下のような「新しいこと」があなたのストレスの原因になっているかもしれません。
職場が変わる、上司や部下が入れ替わる、
異動したり、アルバイトや転職を始めたり。
一人暮らしや、実家に戻るような節目もそうです。
大切な存在を失ったとき、離れてしまった時。
仲のよかった友達に恋人ができたとき。
そんなときも、心のバランスは静かに揺れます。「新しいこと」って緊張や不安、さみしさや恐怖を伴って、ストレスになることがわりと多いんです。でも、今の新しいことも、ひと月後には「過去のできごと」になります。
だから我慢せよと言いたいわけではなく、もしかすると、今だけの強いストレスかもしれないということもあります。
信用できる人に原因究明を任せる

あなたの心と体に起きている、今のしんどさの正体を、少し距離を置いて見つけることが先決です。
「一体、何がこんなにつらくさせているんだろう?」
「特に気分が落ち込んだり、体調が悪くなるのは出勤前? 仕事終わり? それとも仕事中?」
でも…渦中にいると、客観的に状況を把握するのが難しいこともありますよね。誰しも感情的になったり、考えが堂々巡りになったりしてしまうものです。
状況整理を助けてくれる人
あなたの状況整理を手伝ってくれる人はいますか? その人が必ず大きな助けになります。一人で抱え込まず、誰かの力を借りることを考えてみませんか?
- 信頼できる人に話してみる
家族や友人、あるいは大学時代の先輩や学生時代の恩師など、あなたのことをよく知ってくれていて、あなた自身も「この人になら正直に話せる」と思える人に、今の気持ちと現状を打ち明けてみましょう。
「話す」だけでも溜まっていた感情が少し解放され、気持ちが楽になることがあります。また、共感や客観的な視点が思わぬ気づきや、問題解決のヒントに繋がることも少なくありません。
- 専門家の力を借りる
より深く状況を理解し、具体的な解決策を見つけたいと考えるなら、専門家の力を借りるのことも有効です。社内に相談窓口があれば利用してみましょう。
心理士やカウンセラー、地域の相談支援センターなどは、あなたの話を丁寧に聞き、混乱した状況や感情を整理する手助けをしてくれるプロフェッショナルです。
専門家は客観的な視点から、あなたが今抱えている問題の背景にある「直接的な原因」(例えば、特定の業務内容や人間関係、環境など)を見つける手助けをしてくれます。
発達障害の特性に起因する悩みであれば、専門の支援機関に相談することで、よりパーソナルな状況に合わせた的確なアドバイスやサポートを得られるでしょう。
それだけでなく、ストレスに対するあなたの感じ方や考え方のパターンといった「内面的な原因」にも光を当て、あなたが自分自身をより深く理解し、労わることができるようサポートしてくれます。
さらに、具体的な状況改善に向けて「問題解決のための具体的な方法」やいくつかの選択肢を一緒に考え、提示してくれます。
焦らず無理なく進められるように、「ステップアップのための具体的な手順」を一緒に組み立ててもらえることもあります。
相談することのメリット
- 気持ちの整理と自己理解
言葉にして話すことで頭の中が整理され、自分が何に困り、どう感じているのかが明確になります。内面的な原因にも気づき、自分自身への理解が深まります。
- 客観的な視点と原因究明
自分だけでは気づけなかった問題の根本原因(直接的・内面的)を、専門家の客観的な視点から明らかにすることができます。
- 孤独感の軽減と安心感
「自分のことを理解し、支えてくれる第三者がいる」と感じられることは、大きな心の支えとなり、安心感に繋がります。
- 具体的な解決策と行動計画
漠然とした悩みから一歩進んで、具体的な解決方法や、無理なく実行できるステップが見えてきます。
一人で抱え込まないこと
新しい環境での悩みやストレスは、誰にでも起こりうることです。特に発達障害の特性など、個人的な要因が関わっている場合などはより一層、環境への適応が難しく感じられることもあります。
なにもかも一人で抱え込まず、「人に相談するのが苦手」「誰かを頼るわけにはいかない」などと自分ですべてを背負い込もうとせず、
取り返しのつかないことになる前に、限界に達する前に、あなたの良いところも惜しいところもよく知る信頼できる人、必要であれば専門機関に「助けて」と声を上げることを、どうかためらわないでください。
あなたの周りには、きっと手を差し伸べてくれる人がいます。まずは、ご自身の心と体を大切にすることを最優先にしてくださいね。