スマホネグレクトの問題点
スマートフォンの普及により、親が子どもと向き合う時間が減少し、「スマホネグレクト」と呼ばれる問題が社会で注目されています。
決して故意ではなくとも親がスマートフォンに結果的に/一時的に夢中になってしまい、子どもに必要な関心を注ぐ時間が減ってしまったり、子どもが親を見つめたり見上げていることに気づかない状況を指します。
数年前の出来事です。お墓参りの帰りに入った甘味処で、子ども達とかき氷や抹茶パフェ・冷菓子を食べていると隣の席に小学生の男の子2人とお母さまがつかれました。
お子さん達はメニューを見ているものの、お母さまはスマホから目を離さず、いつまでもオーダーが決まりません。本当のところはわかりませんがもしかするとそれは「いつもの光景」なのかもしれません。お子さん達はただただ静かに、お母さまから声がかかるのを待っていました。
8月の暑い日でした。店内には冷房がきいていました。お子さん達のグラスの水は早々に空っぽになっていて、彼らの赤い上気した頬は熱を感じさせるほどでした――。
このような行動が子どもに与える影響は多岐にわたります。
1. 子どもの心理的影響
- 孤独感の増大
- 自己肯定感の低下
2. 親子関係の悪化
- コミュニケーション不足
- 信頼の欠如
3. 子どもの発育への影響
- 言語能力の遅れ
親との対話が少ない環境では、子どもの言語発達が遅れることがあります。 - 感情調整能力の未発達
子どもは親とのコミュニケーションを通じて感情のコントロールを学びますが、(仮に故意ではなくとも)無視される環境ではこの発達が阻害されることがあります。
4. 安全面のリスク
- 危険への気づきが遅れる
スマホに集中している親は、子どもが危険な状況に陥っていることに気づかない可能性があります。 - 事故や怪我の増加
特に公園や道路などでは、スマホに夢中になっている親が子どもを見守れず、事故のリスクが高まります。
5. 社会的な影響
- 模倣行動のリスク
子どもは親を手本にするため、親がスマホに依存する姿を見せると、子ども自身もスマホ依存になる可能性があります。 - 他者との関係性の希薄化
スマホネグレクトを受けた子どもは、人間関係の築き方に問題を抱えることがあります。
解決のために
スマホネグレクトを防ぐためには、以下のような取り組みが重要です。
- スマホ使用の時間を決める
食事や子どもとの時間にはスマホを使わないルールを設ける。 - 子どもとの対話を増やす
日常の小さな出来事でも、子どもとしっかり話し合う時間を確保する。 - 親自身のスマホ依存を見直す
親が自身のスマホ使用習慣を見直し、必要以上にスマホを使用しないように心がける。
スマホネグレクトは、気づかないうちに親子関係や子どもの発達に深刻な影響を与える可能性があります。親が少しの意識改革をするだけで、子どもにとって安心できる環境を築くことができるでしょう。