約20年、心とからだの不調を治す仕事に携わってきました。日々、患者さんのお話を伺う中でつくづく感じるのは、“妥協”という行為がどれほど長く心と体を蝕むか、ということです。
「妥協したのにうまくいかない」という苦しさ

- 志望校ではなく「今の実力で入れる学校」で妥協した
- 理想の相手ではなく「今の自分を受け入れてくれる相手」で妥協した
- 希望職種ではなく「今の自分で採用される企業」で妥協した
たとえ第一志望や理想を叶えても、壁にぶつかり「想像と違った」とショックを受けることはあります。しかし、“妥協”をした場合はどうでしょう?
「妥協までして選んだのに、うまくいかない」
「自分の本心に嘘をついてまで決めたのに…」
こういった思いが生じると、周囲のせいにしてしまうこともあれば、自分自身を強く責めてしまうこともあります。何度も同じような後悔を抱えると、人の自尊心は傷つき、体調にも影響を及ぼしかねません。
妥協と「折り合いをつける」はまったく別物

夢や希望、明確な目標があるなら、私は「妥協」はしなくていいと思っています。それは、妥協が人間の心と体に長く後悔を広げてしまうから。
一方で、「折り合いをつける」とは、
「とことんやって、心から納得し尽くしたうえで最終判断を下すこと」
を指します。
- たとえ目標と違う場所に辿り着いたとしても、そこに至るまでのさまざまな経験や知識、人としての魅力は必ず積み重なります。
- 「あれほどやってみたけれど、合わないことがはっきりした。だから自分で終わりを決めよう」と清々しい気持ちで引き際を選べたら、それは立派な“折り合い”です。
「妥協」で心を壊さないために
世間の常識や親からの圧力、「無理をしても仕方ないから…」という自分の心の声。いろいろな理由で一時的に“妥協”をして前に進まなければならないときもあるでしょう。そんなときは、信念を曲げずに済む方法を常に頭の片隅に置いておいてください。
「自分が本当に手に入れたいものはなんだった?」
「絶対に譲れないもの、失ったら後悔するものは何?」
こう問いかけると、ブレそうになっていた軸を取り戻すきっかけになりやすいです。
親や周囲を説得するときの3つのステップ

- 自分が望む理由・根拠を言葉にして伝える
- 「どうしてその学校・職種・相手を選びたいのか」を、できるだけ具体的に話してみましょう。
- 相手が感じている不安を理解しておく
- 親や周囲は「失敗」「経済的リスク」「世間体」などを心配しているかもしれません。それをまず受け止めたうえで、「こうすれば解決できるのでは?」と具体策を示すと、話し合いがスムーズになりやすいです。
- サポート体制や再チャレンジ方法を想定しておく
- 「もしこうなったら、こう動く」「この人に相談する」など、周囲を安心させる材料を示すと説得力が高まります。
妥協はしても“信念”は曲げない
長い人生の中で、どうしても一時的に妥協しなければならない場面は出てきます。そんなとき、「自分の信念まで曲げていないか?」を常に振り返りましょう。妥協が必要になったら、一度立ち止まって休憩するのも大切。
心の中に“妥協したのに…”という声が生まれたら、それはサインです。
あなたが大切にしている夢や希望は、誰かに否定されるべきものではありません。自分自身の優先順位を確認し、納得できる選択ができれば、「妥協した」という後悔や苛立ちは生まれにくくなるはずです。
まとめ

- 妥協と折り合いは別物。納得の上で終わりを決められれば心は壊れない
- 妥協しなければならないときは“信念”だけは曲げずに
- 親や周囲を説得するときは、相手の不安も理解したうえで具体策を示す
- “妥協したのにうまくいかない”と苦しんでいるときは一度休憩し、軸を見直す
「自分が本当に手に入れたいものはなんだったのか?」――その答えは、ほかの誰でもなく、あなた自身の中に必ずあります✨