アダルトチルドレンには6つのタイプがあり、それぞれに「役割と苦しさ」があります。
1.ヒーロー(英雄)
親、祖父母、社会、大人から「理想の子ども」「理想の孫」「育てやすい」「自慢の子」などと高評価を受け、家族が周囲から「理想の家族」として称賛されるように――親がそれをことさらに喜ぶため――勉学やスポーツ等に積極的に向き合い、好成績を残すことが多い。
しかし「大人や周囲」の期待に応えることが生きる軸になってきたので、自身が大人になり褒めてくれる大人が周りからいなくなると「認められる頑張り方」がわからなくなり、自分の存在意義や存在価値が見えなくなる~精神的に崩れ始めることが多い。
2.スケープゴート(生贄)
ヒーローの対局の存在。自分を犠牲にして、すべてを「自分が悪いせいだ」「自分に問題がある」と背負い込む。
親や周囲の関心を引くために、わざと怒られるような叱責されるような行動をとることもある。自ら「悪役」を引き受けることで、自分以外の家族が仲良く一致団結するならそれでいいと諦める傾向もある。※生贄/犠牲
幼少期に自ら悪役を引き受けることが家族のためになると気づくくらい――認知のゆがみであるが――ものすごく聡明でとても優しい性格だが、それゆえに自己肯定感が著しく低い。
生きづらさや家族の「おかしさ」にもっとも早く気づいているので、理解のある良い大人に出会うと28歳くらいまでに「役割」を終えることができる。
3.ロストワン(いない子)
他の5タイプは自分に役割を課して(その役割を求められて)、家族の中で居場所や役割を獲得しようと努めるが、ロストワンタイプは自分の存在を消して、静かにただ静かに、親や社会、周囲に迷惑をかけないよう、『トラブル』に巻き込まれないように生きている人、生きることを自分に課した人である。
ロストワンは自分の感情に鈍感なタイプが多い。敏感だと傷ついてしまうため、防衛本能として鈍感にならざるを得なかったと私はみている。
4.ケアテイカー/プラケター(世話役/支え役)
幼少期から親のかわりにきょうだいの世話をしたり、家事をこなしたり、家族の世話を献身的に行い家族全体を支えている。
また、家族間の「橋渡し」という役割を負わされることも多い。
家族それぞれの愚痴や弱音、悪口を聞き入れ慰め、調和をとる役割をする。小さなカウンセラー。
本来であれば親がするべき役割を子どものころから背負わされる。
家族が壊れてばらばらにならないように自己犠牲をはらう側面と、家族に尽くすことで自分の居場所を獲る自虐行為の側面がある。
「よく気がつく」「とても優しくて思いやりがある」と評される一方、「尽くさなければ自分の存在価値がない」「気づかいをしなければ必要とされない、居場所が奪われる」という『強迫観念に似た認知のゆがみ』を持っていることが多い。
5.ピエロ(道化師)
お調子者で面白くて明るい。ちょっとドジであわてんぼうなど、自ら「ボケ役」「にぎやかし役」を請け負う。
そうすることで家庭内の空気をやわらげたり和ませたり、険悪な空気にならないように笑顔の下でピエロの役割を自らに強く強いる。
そうすることで『表面的には』家族に必要不可欠とされ可愛がられているように見えるが、いつも明るく振舞わなければならないのは子どもにとっては重責である。
またピエロタイプは大人になってからも、ピエロを演じることが身にしみついてしまっていることが多く、いつも同じ笑顔である。極度の寂しさや悲しみを隠し持っている。
6.イネイブラー
4.ケアテイカー/プラケター(世話役/支え役)に、下記が加わったタイプ。
↓
・自分は家族のそばにいて家族を支えなければならないという使命感がひと際強く、一人立ちが遅い。一人暮らしをしない/できない。※共依存傾向
・精神的な自立や親離れ、反抗期が遅いことが非常に多い。そのため、このタイプは恋愛や婚期が遅いか、交際相手をダメ男/ダメ女にしてしまう傾向がある。
・家族の中にギャンブルやアルコール、性、買い物「依存症」を持つ者や、ひきこもりの家族がいることが多い。
家族の問題解決を望んでいるけれど、家族を甘やかし依存を増長させているのはほかならぬ自分であると気づいた時に初めて『共依存の殻』を破る一歩を踏むことができる。
特定の家族と、もしくは家族全体と、パートナーと『共依存』になっているため、目を覚まさせて引っ張ってくれるカウンセラーとの二人三脚があれば改善は早い。
適応障害、人間関係での躓き、不安障害、自己診断のHSPなどの「根底」にはアダルトチルドレンがいることが多いとみます。あなたの生きづらさは大丈夫ですか?