「認知の歪み」という言葉を耳にすることが増えてきましたが、具体的にはどんなことを指すのでしょうか?いくつかの例を挙げてみます。
❶ 事実:「お父さんとお母さんが喧嘩をしている」
- 認知の歪みが「ない」場合
「仲良くしてほしいなあ」「昨日は仲良かったのになあ」 - 認知の歪みが「ある」場合
「僕のせいで喧嘩しているのかもしれない」「私が70点しか取れなかったから喧嘩してるに違いない」
❷ 事実:「メッセージを送ったのに1時間、既読にならない」
- 認知の歪みが「ない」場合
「寝ているのかな?」「忙しいのかな?」 - 認知の歪みが「ある」場合
「浮気しているかもしれない」「僕/私のことが嫌いになったに違いない」
❸ 事実:「息子が学校で先生の話を聞かずに騒いで注意を受けた」
- 認知の歪みが「ない」場合
「どうして先生の注意を聞かなかったのか、聞いてみよう」 - 認知の歪みが「ある」場合
「どうしてこんなにダメな子に育ってしまったんだろう…」「将来、いい会社に勤められないだろう…」
❹ 事実:「カウンセリングの予約を入れたい」
- 認知の歪みが「ない」場合
「チャットで空いてる時間を聞いてみよう」 - 認知の歪みが「ある」場合
「私なんかが予約を入れると迷惑かもしれない…」
認知の歪みがある人にとって、物事は過剰にネガティブに捉えられがちです。
逆に、認知の歪みがない人は物事を前向きに受け取ります。
この違いは、親子関係や家庭環境など、子どもの頃の体験に大きく左右されるのです。
認知の歪みの連鎖
認知の歪みを持ったまま親になると、その歪んだ考え方を「正しいもの」として子どもに伝えてしまいます。これが「歪みの連鎖」です。
認知の歪みを引き継いでしまうと、子どももまた同じ苦しみを抱えて生きることになります。