【第2話】世間の常套手段が効かない? 〜それでも試したい説得ステップと失敗事例〜
一般的に勧められる「免許返納の説得ステップ」
よく言われるのが、以下の流れです。
- 家族・信頼できる人が話を切り出す
- 運転リスクの説明(最近の事故ニュースやデータ提示)
- 過去の運転トラブルを振り返らせる
- 他の移動手段を具体的に提案(バス・タクシー・デマンド交通など)
- 免許返納のメリット・自治体特典の紹介
- 医師や専門家の客観的な意見を取り入れる
- 免許更新時期を説得のチャンスに
- 相手のプライドに配慮し、感情面のケアをしつつ進める
これらは高齢者の免許返納本などでよく紹介されている“黄金パターン”です。しかし、うちの父にはほぼ全滅。特に「専門家の意見」や「事故報道の危険性を説く」は完全にスルー。運動神経を過信する父は「他の老人とは違う」と耳を塞ぐばかりでした。
デマンドバスの主な特徴
⦁ 予約制:事前に電話や専用アプリで予約が必要です。
⦁ 柔軟な運行ルート:利用者の乗降場所に応じた最適なルートを自動的に決定し、効率的な運行を行います。
⦁ 低コスト運営:通常のバス運行に比べてコストを抑え、地域の公共交通として運用可能です。
⦁ ほんの一例です。全国的に試験的にデマンドバスを取り入れています。又、情報は随時更新されますので各自でお調べくださいますようお願い申し上げます。〔福岡〕〔香川〕〔福島〕〔大阪〕〔山梨〕〔東京都北区〕〔鳥取〕〔岡山〕〔京都〕〔丹波篠山〕〔富山〕※令和7年3月12日調べ
それでもあきらめない! 他のご家族の成功例
「成功パターン」には、こんな事例もあります。
- 事例A:本人に“試乗”させて現実を気づかせる
75歳の母親が「私の運転はまだ大丈夫」と言い張るため、安全機能が充実した新車のディーラー試乗を予約。実際に乗ると車幅感覚のズレが顕著に出て、母親自身が「今の車に乗ってても危ないかも…」と気づき、そのまま返納を決意。 - 事例B:将来の事故リスクを家族の未来に絡めて説明
孫から「おじいちゃんが万が一事故を起こしたら、私たちみんなが悲しむ」と手紙を渡された瞬間、涙を流して決断した。加害者家族になる不安を“子や孫の将来”を交えて伝えるのが効果的だった。
実際、「周囲の大切な人を巻き込みたくない」という気持ちが心に響く高齢者は少なくありません。「事故を起こせば孫の就職や結婚に悪影響が出る」という切り口も、説得の有力材料になります。
私の父には通用しなかった例

「ディーラーで安全機能付きの車に買い替えよう!」の提案
私たち子ども側としては「サポカーなら少しは安心かも…」という期待もあったのですが、父は「新車を買う金は自分で払うから、乗りたい車は自分で決める!」と無駄に強気に。
- 結局、本人の“まだ乗る気満々”を助長しただけになり、失敗。
「医療機関の検査で客観的に数値を示す」
免許を返納せざるを得ない身体能力の低下を数値化しようと、眼科や脳神経外科を予約しました。
- 父は当日、勝手にキャンセル。
- 検査を受けて「ダメだ」と言われるのが嫌だから、という“拒否”の表れですね。
次回予告:第3話では、こうした常套手段が通用しない親に対して、私たちが取り組んだ「役割分担」と「説得スケジュール」を具体的にご紹介します。さらに、いつ・どんなタイミングで切り出すのがベターなのか、健康状態や足腰の衰え、視力、認知機能などの“判断基準”についても考えていきます。