【新生活の女子へ】「このくらい大丈夫」が一番危ない。
春――。新しい生活への期待に胸を膨らませ、キラキラした気持ちで一人暮らしをスタートさせた女の子たちへ。新しい部屋、自由な時間、誰にも気兼ねしない毎日…本当に楽しみですよね。心から応援しています。
でも、ちょっとだけ待って。
私はカウンセラーとして、心や体の不調を抱える方のお話を日々聞いています。
その中には残念ながら、ストーカー被害に遭ったり、日常生活で本当に怖い思いをされたりした方も少なくありません。彼女たちの多くが口にするのは「まさか自分が」「ちょっとコンビニに行くだけだし、このくらい大丈夫だと思っていた」という言葉です。
一人暮らしの解放感は、時として「油断」を生みます。そしてその油断が、取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。
このコラムは、決してあなたを怖がらせたいわけではありません。ただ、カウンセラーとして、そして人生の少し(かなり?)先輩として知っておいてほしい「現実」と「自分の守り方」があります。
「私は大丈夫」なんて思わないでほしいんです。
あなたの輝く未来を守るために、今日からできる防犯の基本・季節ごとの注意点・そして最近特に増えているSNSやマッチングアプリの危険について一緒に考えていきましょう。これは、あなた自身を守るための大切な知識です。
「自分だけは大丈夫」の危うさ
一人暮らしは最高! でも実家とは違い、常にあなたの安全を守ってくれる人はいません。ドア一枚隔てた向こうに、どんな危険が潜んでいるか分からないのが現実です。
「考えすぎだよ」「そんなに悪い人ばかりじゃない」…そう思う気持ちも分かります。
でも、カウンセリングで涙ながらに被害を語る方々の話を何度も聞いていると、「万が一」は決して他人事ではないと痛感します。「あの時、コンビニに行くだけでもちゃんとしていれば…」「あの時、SNSで知り合った人を信用しすぎなければ…」そんな後悔を、あなたには絶対にしてほしくないのです。
【基本のキ】毎日、絶対に守ってほしい防犯ルール
まずは、日々の生活で習慣にしてほしい基本的なことから。面倒くさい? いえ、未来のあなたを守るための大切なルーティンです。
玄関は「砦」 つづきを読む
鍵 → 短時間でも必ず施錠! オートロックでも油断しない。補助錠があれば必ずかける。帰宅時、ドアを開ける前に周囲を確認する癖も。
ドアスコープ → 覗く前に必ず確認。カバーをつけるのも有効。
郵便物 → 溜めない! 個人情報が書かれたものはシュレッダーにかけるか、見えないように破って捨てる。表札は名字だけ、または出さない選択も。
窓は「隙」を見せない つづきを読む
施錠 → 玄関と同じく 必ず施錠。特に1階や通路に面した窓は補助錠や防犯フィルムも検討を。
カーテン → 在宅時も、外から部屋の中が見えない厚手のものに。夜は必ず閉める。女性ものと分かる洗濯物を外から見える場所に干さない配慮も。
帰り道は「アンテナ」を張る つづきを読む
ながらスマホNG → 周囲への注意が散漫になります。音楽を聴くなら音量を下げるか片耳だけにする。
ルート変更 → 時々道を変える。暗い道、人通りの少ない道は避ける。防犯ブザーをすぐ使える場所に。
「誰かいる?」を意識 → 後ろをつけられている気がしたら、警戒心を見せる(振り返るなど)。コンビニに入る、大通りに出るなど行動を変える。ためらわず110番を。エレベーターも同乗者に注意。
来訪者は「まず疑う」 つづきを読む
インターホン → 必ず相手を確認してからドアを開ける。モニター付きが理想。
チェーン → かけたまま対応する癖をつける。宅配業者を装うケースも。身分証の提示を求めるか、置き配を利用するのも手。
安易に開けない → 「〇〇の点検です」なども、事前に連絡がなければ管理会社や公的機関に電話で確認する。制服だけで信用しない。
【季節別】こんな危険に気をつけて!
季節によって注意したいポイントも変わってきます。
春(4月~6月) 新生活の「隙」を狙われる つづきを読む
● 引っ越したばかりで地域の治安に不慣れ、防犯意識が低い状態を狙われやすい。● 新しい出会いが増える時期。大学や職場で知り合ったばかりの人を安易に信用しない。
● 歓迎会などでの飲酒も注意。泥酔して個人情報を話したり、一人で帰宅したりしない。
夏(7月~9月) 開放感が生む「無防備」 つづきを読む
● 窓を開けて寝たり、換気のために開けっ放しにする時間が増え、侵入リスクが高まる。網戸だけでは無意味! 短時間でも必ず施錠を。● 薄着になるため、痴漢や盗撮などの性的な視線に注意。肌の露出が多い服装の際は特に警戒を。
● お盆休みなど長期不在時の空き巣対策も忘れずに(郵便物を止める、タイマーで照明をつけるなど)。SNSで不在を公言しない。
秋(10月~11月) 油断しやすい「行楽」と「日暮れ」 つづきを読む
● 日が短くなり、暗い中を帰宅する時間が増える。帰り道の注意を一層強化。● 反射材などを身につけるのも有効。
● 行楽シーズンで気分が緩みがち。外出先での置き引きや、SNSへの投稿(位置情報など)にも注意。
冬(12月~3月) 密室の「危険」と年末年始の「油断」 つづきを読む
● 窓を閉め切ることが多く、万が一侵入された場合に逃げ場がなくなることも。在宅中でも玄関や窓の施錠確認を。● 年末年始の慌ただしさや、帰省による長期不在は空き巣に狙われやすい。防犯対策を再確認。
● (補足)暖房器具の消し忘れなど、火災のリスクも高まる季節。火の元確認も忘れずに。
【特に要注意!】SNS・マッチングアプリに潜む「現代の罠」
今、カウンセリングで本当に相談が多いのが、SNSやマッチングアプリを通じたトラブルです。手軽な出会いの裏には、深刻な危険が潜んでいることを知っておいてください。
目的を偽る人々 つづきを読む
● 恋愛や友達作りを装い、実際は体目的、金銭目的(投資詐欺、ロマンス詐欺、マルチ商法など)、個人情報収集、ストーカー行為などを企んでいる人がいます。● プロフィールや甘い言葉、加工された写真を鵜呑みにしないで。
実際に起きている悲劇 つづきを読む
● SNSで知り合った相手に好意を寄せているように振る舞われ、個人情報を少しずつ聞き出された。断ると態度が豹変し、脅迫的なメッセージが届くように…。(20代女性・相談事例)● マッチングアプリで出会った相手と食事に行った際、飲み物に薬物を混入され、抵抗できない状態で性的な被害に遭った…。(20代女性・報道事例より)
● 軽い気持ちで教えたバイト先や最寄り駅から、執拗な付きまといが始まり、恐怖で日常生活が送れなくなった…。(10代女性・相談事例)
※これらは実際に報告されているケースですが、プライバシー保護のため詳細は変えています。
身を守るための鉄則 つづきを読む
● すぐに会わない、教えない
やり取りを重ね、相手を慎重に見極める。本名・住所・勤務先/学校名・最寄り駅などの詳細な個人情報は絶対にすぐ教えない。SNSアカウント(特に個人が特定されやすいもの)も安易に教えない。
● 会うなら「安全第一」
必ず人目のあるカフェなどで、昼間の時間帯に。初回から個室や相手の家、ホテル、夜景の見える場所、ドライブなどに誘われたら警戒レベルMAX。お酒の席も初回は避けるのが無難。
● 情報を「疑う」目を持つ
相手の話が本当か、少し立ち止まって考える。可能なら相手の名前や写真で画像検索してみることも有効な場合が。
● 「違和感」はサイン
少しでも「おかしいな」「話がうますぎる」「怖いな」と感じたら、自分の直感を信じて、すぐに連絡を絶つ、ブロックする勇気を持つ。相手に気を遣う必要は一切ありません!
● 「誰とどこで会うか」を伝える
信頼できる家族や友人に、事前に必ず伝えておく。可能なら待ち合わせ場所の共有や、終わった後の連絡も。
【意外な落とし穴】コンビニでの買い物、大丈夫?
身近で便利なコンビニですが、何気ない行動がストーカーなどに情報を与えてしまうリスクがある、という視点は非常に重要です。ストーカー被害者を支援する専門家、守屋秀勝さんも指摘するように不審者は意外な点を見ています。
「家が近い」と悟られる行動 つづきを読む
サンダルや軽装
「ちょっとそこまで」感が出てしまい、徒歩圏内に住んでいると推測されやすい。
(対策:距離感をぼかす服装を意識する。例えば、コンビニに行くだけでも靴を履く・ジャージやスウェットではなくジーンズに穿きかえるなど)
アイス、おでん、温めたお弁当
すぐに食べる/持ち帰る必要があるものは、「家が近い」サインになり得ます。
(対策:生活圏外のコンビニで買う、日持ちするものを買う、別日に別所でまとめ買いするなど工夫を)
「一人暮らし」と推測される行動 つづきを読む
1つだけの購入
飲み物やお惣菜などを1つだけ買うと、「一人分かな?」と思われやすい。
(対策:あえて複数買う、「家族の分も」感を出すなど)
その他の注意点 つづきを読む
スマホ操作
店内で個人情報が見えるような操作(SNS、地図アプリなど)は控える。
徒歩での来店
いつも同じ時間に徒歩で来店すると、行動パターンを読まれやすい。
(対策:時間をずらす、自転車を使う、たまに違う店に行くなど)
「考えすぎじゃない?」と思うかもしれません。でも、ストーカー被害の相談を受けていると、「コンビニでよく会う人だった」というケースは実際にあります。「このくらい大丈夫」と思わず、ほんの少し意識を変えるだけで、リスクは減らせるのです。
もし「怖い」「おかしい」と感じたら、絶対に一人で抱えないで
どんなに気をつけていても、怖い思いをすることはあるかもしれません。そんな時、一番大切なのは「自分の直感を信じること」そして「すぐに助けを求めること」です。
「気のせいかな?」と思わない つづきを読む
不安や恐怖を感じたら、それは危険のサインかもしれません。
相談できる場所を知っておく つづきを読む
家族・友人
→ まずは信頼できる身近な人に話す。
警察相談専用電話「#9110」
→ 緊急ではないけれど警察に相談したいことがある場合に。証拠(メッセージのスクショ、記録など)があれば、より具体的に相談できます。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
→ 全国に設置されています。「性暴力 #8891(はやくワンストップ)」で検索を。相談、医療支援、法的支援などをワンストップで受けられます。匿名でも相談可能です。
お住まいの地域の相談窓口
→ 自治体などが設けている女性相談窓口、消費者センター(詐欺など)など。
大学の相談室
→ 学生であれば、学内の相談窓口も頼りになります。
最後に伝えたいこと
一人暮らしは、あなたを大きく成長させてくれる素晴らしい経験です。だからこそ、悲しい出来事でその経験を台無しにしてほしくない。
防犯対策は、正直少し面倒かもしれません。
でも、それは未来のあなた自身を守るための、何より大切な「投資」であり、「お守り」のようなものです。「このくらい大丈夫」という気持ちが、一番の隙になります。常に「もしかしたら」という意識を持ち、今日お伝えしたことを少しでも心に留めて、日々の生活を送ってください。
あなたが安心して笑顔で毎日を過ごせることを、カウンセラーとして、おそらく今このコラムをお読みくださっている皆さまと同じ年頃の娘を持つ母として…心から願っています。
困ったことがあったら、絶対に一人で悩まないでくださいね。いつでも頼れる場所があることを、忘れないでください。