前回のファーストステップでは、リセットしたくなるほどの複雑な感情を、まずは自分自身が「気づき+言葉にしてみる」ことの大切さをお話ししました。
ノートやメモ帳に書き出してみたり、誰かに思い切って打ち明けることで、怒りや悲しさの『正体を探る第一歩』を踏み出すことができます。ここまでで「もしかしたら私は、本当はわかってほしかっただけなのかも…」と、自分の本音に気づいた方もいらっしゃるかもしれませんね!

では、その気づきを実際の人間関係に活かすにはどうすればいいのか? 今回のセカンドステップでは、「すべてを断ち切る」のではなく、まずは小さな関係調整を試みる方法について考えてみたいと思います。
セカンドステップ:小さな「関係調整」を試みてみる
いきなりガラッと関係を切り替えるのではなく、部分的な修正やすり合わせをしてみる。これが『リセット癖を手放す』ための二歩目になります。
「すべて」ではなく「少しだけ」伝えてみる
たとえば、嫌なことをされたり誤解や温度差ができてしまったと感じたとき、相手にすべてを1度に一気にぶつけるのではなく、「実はちょっと気になっていたんだけど…」「俺(私)の説明が分かりづらかったかもしれないから、もう1度聞いてくれない?」と小出しに伝えてみましょう。
ここで大切なのは、「○○してほしかった」よりも「私は○○がつらかった」という、自分の気持ちを主語にする伝え方。この使え方だと相手も攻撃されたとは感じにくいので反撃を食らう可能性が高いです。例えば
- 「もっと心配してほしかった!」
→ 「あのときはすごく不安だったから、もう少しだけ気にかけてほしいなって弱気になってたの」 - 「そんな言いかた、なくない?!」
→ 「そういう風に言われると、全否定されたみたいですごく傷つくなあ…」 - 「さすがにあんな態度はないと思う!」
→ 「あの態度を取られたとき、とても悲しくて戸惑ったし、これからどう接していいかわからなくなっちゃった」
ワンポイントアドバイス

人は自分に余裕がない時には、悪意はなくとも、相手からの要求を突っぱねてしまったり、気づかずにスルーしてしまうことがあります。また重荷に感じてしまうこともあります。ですので、
- 「○○してほしい!」という要求を感情のまま伝えるのではなく、自分がどんな気持ちになったか(不安・寂しさ・悲しさ・傷ついた等)を素直に言葉にする。
- 「〜してほしかった」→「〜してもらえたら安心できた/助かった」のように置き換えることで、相手への要求というよりは、「自分の希望や願い」として受け止めてもらいやすくなります。
- 相手の非を責めるよりも、自分が「こういう状態だった」「こう感じていた」と説明するほうが、相手も反撃や防衛的な態度になりにくいです。
譲れるところ・譲れないところを仕分けする
どんな関係であっても、たとえ親子や兄弟姉妹であっても、親友であっても100%気が合うことは滅多にありません。自分が譲れる部分と、どうしても譲れない部分をあらかじめ自分の中で整理しましょう。
いざ相手と話すときも「ここは私にとって大切だから、理解してほしい」「ここはちょっと譲ってもいいかな」というふうに、関係を調整しやすくなります。
譲りたくない自分の価値観や本音・本心を守れるのは、あなただけ。そして同じように相手もその価値観を持っていることを忘れないこと。
だから双方で歩み寄り、少しずつ伝え合いながら、譲歩しあうことが大切だと思います。自分のその一瞬の感情に正直になると、その感情は爆発したり相手にぶつけたくなってしまいます。

人間関係をリセットしてしまう癖が身についている人に多いのは、「感情に正直」なんじゃないかな? 両者は似て非なる。
感情に正直な人って、相手のちょっとした悪意のない言葉尻や言葉の綾、相手のついたため息や相手が言葉を飲み込んだ態度などにも過剰反応してしまうことが多く、そこでさらに感情を爆発させてしまいがち。
こうなると取り返しのつかない大喧嘩に発展したり、相手によっては「もうやめましょう」と関係を断たれ、去られてしまいます。
うちの母がまさにこのタイプで、家族からも捨てられ、友人知人からも去られとても寂しい老後を送っています。私の母に限らずこの手の毒母は、寂しい老後を送っているケースが話に聞く限りは多いかなー。
母本人は去られたとは思ってないの、常に自分が相手を切り捨てたと思ってる。そういうところも、『素直になるチャンス』は何度でもあっただろうに、自らそれを放棄して本当に哀れな人だな、相応の末路だなって思います。
🔥 自分の感情に正直な人
- 湧きあがる感情に正直
思ったことや感じたことをそのまま表現するため、感情の起伏が激しくなることがある。 - 情緒が不安定になりやすい
気分に左右されやすく、そのときどきの感情に自分自身も振り回されがちだし、相手のことも振り回してしまう。 - 他人の反応や評価に敏感
他人の顔色や言動を気にしすぎて、感情が大きく揺さぶられる。 - 感情表現がストレート
嬉しい、悲しい、怒っているなどの感情を隠すことが難しい。子どもっぽいとも言える。 - 自己中心的に見られることがある
自分の感情を優先する傾向があり、結果的に周囲への配慮が欠けてしまうことがある。
🌿 素直な人
- 他人の意見を素直に受け入れる
助言や指摘に対して反発せず、「そうなんだ」といったん受けとめられる。 - 意地を張らない
間違いを認めることに抵抗がなく、謝罪や感謝もスムーズにできる。 - 柔軟な対応ができる
状況や相手に応じて自分の態度や行動を変えられる柔軟性を持つ。 - 人間関係をスムーズに築く
偏見やこだわりが少なく、誰とでも穏やかに関わろうとする姿勢がある。 - 自己主張が穏やか
自分の意見を持ちながらも、相手を尊重し、押しつけない。
💡 正直な人と素直な人の違い
- 正直な人は、自分の感情を第一に行動するため、情緒が不安定になりやすく、感情表現が子どもっぽい一面がある。
- 素直な人は、他人や状況に対して柔軟で、意地を張らず穏やかに対応できる。
脱・リセット癖〔本日のまとめ〕
1度の会話で完全に分かり合う必要はありません。小さなすり合わせの積み重ねのなかで「全部リセットする必要なんてなかったのかも…!」という感覚を知っていくこと、その感覚を育んでいくことがとても大切です✨