【第2回】なぜ後回しにしてしまうのか?- 自己分析と言い訳のリアル
前回は、私たちが何を後回しにし、どんな後悔を抱えているかを見てきました。
今回は、その根本原因に迫ります。「なぜ、やるべきだと分かっているのに、つい先延ばしにしてしまうの?」この問いに対する自己分析や、無意識のうちに口にしている「言い訳」には、実は共通する心理的背景が隠されています。
完璧主義、ストレス回避、それとも根拠のない楽観? 年代によっても異なる傾向と共に、私たちが後回し沼にはまるメカニズムを解き明かしていきましょう。あなたの「なぜ?」の答えが見つかるかもしれません。
あなたが後回しにするのは、どのタイプ?
なぜ私たちは物事を後回しにしてしまうのでしょうか? 自己分析に基づく主な理由として、以下のような心理的背景が挙げられます。
楽観的すぎるタイプ:「まだ時間はある」 タップで詳細
「締め切りまで十分時間がある」「なんとかなるだろう」と将来を楽観視し、目の前のタスクの負荷を過小評価してしまう傾向です。
特に東京大学の研究では、「未来の自分は今よりストレスが増えることはない」と楽観的に信じられる人は深刻な先延ばし癖が少ないとも報告されており、過度な楽観は危険ですが、前向きな見通しが行動を促す側面もあるようです。
めんどくさがり(ストレス回避)タイプ:「気が重い…」 タップで詳細
タスクに取り組むことへのストレスや負担感から逃れたい一心で、つい後回しに。複雑で面倒な作業や、苦手分野の課題は特に「やる気が出たらやろう」と考えがちです。
完璧主義タイプ:「やるなら完璧に!」 タップで詳細
失敗を恐れたり、理想が高すぎたりするあまり、準備に時間をかけすぎたり、最初の一歩が踏み出せなかったりします。「完璧にこなせないなら、いっそ手を付けない方がマシ」という思考に陥りがちです。
「重要だけど緊急じゃない」の罠 タップで詳細
「健康のための運動」や「資格の勉強」など、将来的には重要だと分かっていても、今すぐ困らないために優先順位が下がってしまうケースです。
タスクが大きすぎて圧倒されるタイプ:「何から手をつければ…」 タップで詳細
目標が壮大すぎたり、やるべきことが多すぎたりして、どこから手をつけて良いか分からずフリーズしてしまう状態です。タスクを細分化するのが苦手な人に多い傾向があります。
共通しているのは、多くの場合「着手する精神的ハードルが高い」ということです。
年代で変わる?後回しの傾向
後回しの傾向には、年代による違いも見られます。
若年層(特に10代後半~20代) タップで詳細
自己効力感(「自分ならできる」という自信)が低い場合に、タスクを先延ばしにしやすいという指摘もあります。
「まだ若いから大丈夫」「失敗したくない」といった心理が影響しているのかもしれません。
30代以降 タップで詳細
貯蓄や健康管理など、生活基盤や将来に関わる項目を後回しにする傾向が強まります。仕事や家庭の責任が増え、自分のことを後回しにしがちになる時期とも言えるでしょう。
「忙しくて時間がない」が常套句になりやすいですが、その背景には、より複雑な優先順位付けやストレス管理の問題が潜んでいる可能性があります。
このように、後回しの理由は一つではなく、個人の性格や置かれた状況、年代によっても様相が異なります。しかし、その根底には「今、この瞬間の不快感を避けたい」という人間の本能的な働きがあるのかもしれません。
まとめ
私たちが物事を後回しにする背景には、「楽観視」「面倒くささの回避」「完璧主義」「タスクの大きさへの圧倒感」など、様々な心理的要因が絡み合っています。
特に、目の前のタスクに着手する際の精神的なハードルの高さが共通の課題と言えるでしょう。また、年代によって後回しにする事柄や、その背景にある心理も変化していくことが見えてきました。自分自身の「なぜ」を理解することが、次の一歩に繋がるかもしれません。
さて、後回しは自分だけの問題で終わるのでしょうか?
実は、私たちの先送り癖が、知らず知らずのうちに周囲の人々を困らせているケースも少なくありません。次回は、後回しが人間関係や信頼に与える影響、そしてそれが引き起こす内なる後悔について掘り下げます。
情報ソース元